ライディングポジションも扱いやすさに貢献している。ハンドルとステップの位置関係が自然で、上体が軽く前傾したリラックスできる姿勢に収まる。ちなみに日本向けには、標準のシート高815mmに対し、最大で40mm低くなるローシート&ローサスペンション仕様(775mm)が用意されているのもポイントだ。
その日本仕様にも試乗してみたがハンドリングは自然で、ローダウンにありがちなサスペンションの動きのネガも感じられなかった。むしろ足着きが大幅に良くなることで安心感が増し、とくにストップ&ゴーが多い日本の市街地などでは大きなメリットになると思う。
ライダーが主役の時間を引き出してくれる
エンジンは昨年鮮烈なデビューを果たしたパニガーレV2直系の新世代ユニット。吸気可変タイミング機構IVTを備え、9000rpmで111psを発揮する。だが、このエンジンの本質はピークパワーではない。4000〜10000rpmという広いレンジで最大トルクの80%以上を維持するその特性にこそ価値がある。どこからでもスッと力が立ち上がり、どこまでも自然にまわっていく。
市街地では、その恩恵がダイレクトに伝わってきた。発進から低中速域までのつながりが滑らかで、スロットル操作に対する反応もじつに穏やか。ギア選択に神経質になる必要もなく、自然体のまま流れに乗れる。ハイウェイに入ると、その“余裕”がさらに際立つ。111psというスペック以上に、実用域での厚みが利いていて、追い越し加速もスムーズ。エンジンは終始落ち着いていて振動も少ない。長距離でも疲れにくく、かつてのドゥカティにあった“扱いづらさ”はすでに過去のものだと実感する。
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【ワインディングでの軽やかな旋回性能】
