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「シンプル・イズ・ベストを極めた軽快ネイキッド」ドゥカティ新型「モンスター」無駄を省いた先にある本質的価値

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ドゥカティの新型「モンスター」。現在国内での先行予約受付中で価格は166万2000円~(写真:DUCATI)
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試乗インプレッション
削ぎ落とすことで磨かれた軽快な走り

あいにくの雨天ではあったが、軽量な車体と扱いやすいエンジンにより、欧州の高速ワインディングでもストレスのない走りを楽しめた。ハンドルが高く上体が起きた自然なポジションは視界も良好。リラックスしてライディングに集中できる(写真:DUCATI)
今回の国際試乗会はスペインの港町、マラガで開催された。雨の中、入り組んだ旧い市街地から高速道路、標高差のあるワインディングまで約160kmを走破した(写真:筆者撮影)

スペイン・マラガの郊外。朝の澄んだ空気の中で跨った新型モンスターは、第一印象からどこか“肩の力が抜けている”。スターターボタンを押すと、新世代のVツインが軽やかにまわり始めた。かつてのような荒々しい鼓動感は控えめで、耳に届くのは整ったリズムと、奥に潜む確かな力強さ。ずいぶんと洗練されたな、というのが正直な印象だ。

思えば92年、ケルンショーで衝撃のデビューを飾った初代モンスターは、「ネイキッドとは何か」という常識を根底から覆した存在だった。コンセプトはシンプルにして明快――“必要なものだけを残し、余計なものは削ぎ落とす”。その思想を現代の技術で再構築したのが、この新型である。見た目のアイコンである“バイソンバック”タンクやコンパクトなテールまわりはしっかり受け継ぎつつ、全体のフォルムはより引き締まり、現代的な精度で再定義されている。

乾燥重量175kgの軽量ボディが生み出すフィーリング

標準装着タイヤのピレリ「ディアブロ・ロッソIV」はウェット路面でも確かなグリップ力で安心感のある走りを支えてくれた(写真:DUCATI)
モダンな表情が印象的なフルLEDヘッドライト。ダブル“C”の発光シグネチャーとパニガーレV4を想起させるカットデザインが、ひと目でドゥカティと分かる存在感を放つ(写真:DUCATI)
容量14Lの燃料タンクはモンスター伝統の“バイソンバック”形状を踏襲しつつ、現代的なデザインに刷新。第2世代で導入されたフロントエアインテークが再現されている(写真:DUCATI)

走り出してすぐに感じるのは、車体のコンパクトさと動きの軽さだ。乾燥重量175kg、従来比−4kgという数字以上に、実際のフィーリングとして“ひとまわり小さいバイク”のような扱いやすさがある。押し引きの軽さはもちろん、走行中も車体の存在が主張しすぎない。むしろスピードが乗るほど、ライダーの感覚と自然に同調してくる。

ブレンボ製M4.32ラジアルキャリパー+φ320mmダブルディスクを装備。初期のタッチは穏やかで扱いやすく、奥ではしっかり利くコントロール性の高さが際立つ(写真:DUCATI)
サスペンションは前後ともSHOWA製で、43mm倒立フォークとリンクレス式モノショックの組み合わせ。街乗りの快適性とスポーツ走行での安定感を両立。クイックシフターを標準装備(写真:DUCATI)
パニガーレV4譲りの両持ち式スイングアームは、アルミ中空構造とすることで軽量化と高剛性を実現。トラクション性能を引き出しつつ、軽快でリニアなハンドリングに貢献する(写真:DUCATI)

その軽快さを支えているのが、構造そのものの進化だ。エンジンをストレスメンバーとしたモノコック構造に、「パニガーレV4」譲りの思想を取り入れたスイングアーム。そこにSHOWA製サスペンションを組み合わせ、剛性としなやかさのバランスを高い次元でまとめている。

足元はブレンボM4.32ラジアルキャリパーに320mmダブルディスク、タイヤはピレリ・ディアブロ ロッソIV。見た目以上に“ちゃんと止まって、ちゃんと曲がる”パッケージだ。

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【111psというパワー以上に感じる扱いやすさ】

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