いずれも、党内で高市首相が孤立する中で「権力の空白」が生じることを狙ってのものだ。こうした動きに抗するためには、どうしても麻生派を率いる麻生氏に頼らざるをえなくなる。旧安倍派の残党をまとめつつある萩生田氏の協力も必要だ。
ただ、1時間ほどの昼食会を終えて取材陣の前に現れた麻生氏と鈴木氏の表情は、いかにもこわばったように見えていた。そしてその原因は、供された焼き魚定食だけではなさそうだった。
「9月に行われるはずの内閣改造だが、党内の求心力を高めるために、どうも7月に前倒しされるようだ」
先週の終わりに入った「官邸情報」は、“次”をめぐる党内の動きに高市首相が不信感を募らせていることを暗示している。そもそも、前回の衆院選で自民党が大勝したのは、誰のおかげだと思っているのか――。
高市首相は参院での動きにも不快感を示したが、石井氏と共に「自由民主党参議院クラブ」を立ち上げた西田昌司参院議員は高市首相に説明し、一応納得させたという。ただ、それは面従腹背に見えなくもない。
高市首相が拠って立つ“砂上の楼閣”
参院が仕切ることになった4月22日の党首討論は、外交日程の都合で行われず、その代わりに高市首相が27日午前の参院予算委員会での集中審議に出席することで与野党が折り合った。結果的に、より長時間の拘束となるが、関係者は「高市首相が討論を避けている印象を与えるのでは」といぶかしがる。
小泉政権時に「郵政民営化法案」を否決した前例を見ても、参院自民党は官邸の意向にそうやすやすと従わない。しかも、内閣支持率は高止まりはしているものの、昨年のような熱狂的な「高市人気」は感じられなくなっている。イラン情勢次第で物価がさらに高騰すれば、政治に対する不満は爆発する。
そうした矛盾を抑えたいということだろう、高市首相は春季例大祭で靖国神社を参拝しないと発表した。靖国参拝は昨年の自民党総裁選では明言しなかったものの、かつては高市首相が持論としたところ。自民党政調会長だった昨年の春季例大祭までは単独参拝を行っていたが、同年秋季例大祭からは参拝を取りやめている。
これを自民党の岩盤支持層がどう受け止めるのか。高い内閣支持率は間もなく“砂上の楼閣”と化すのだろうか。
