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「文章を正しく読めない日本人」が急増している背景「日本語の意味を取り違える人」に欠けている基礎力とは?

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勉強をする男性
東大を目指す学生が自然に身につけている基礎力「読み方スキル」とは?(写真:shige hattori/PIXTA)
  • 市野瀬 早織 元渋谷教育学園渋谷中学高等学校 国語科専任教諭 市野瀬教育研究所 所長
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また、「読む」という行為の目的が変化している点も大きいと思います。

現在は検索によって必要な情報をすぐに取り出せるため、「文章全体を理解する」よりも「必要な部分だけを拾う」読み方が主流になりつつあります。

この読み方は効率的である一方で、論理の流れや前提条件を見落としやすいのです。その結果、部分的には理解していても、文章全体の意味を取り違えてしまうことが起こりやすくなるのです。

社会人にも求められる「現代文の基礎力」 

意味を取り違えてしまえば、相手の言いたいことを正確にくみ取ることができません。そして、その内容に対する自分の考えを整理し、適切に伝えることもできなくなります。

このように、文章の構造を読み解く力を、私は「読み方スキル」と呼んでいます。この力は特別な才能ではなく、何歳からでも訓練によって身につけることができます。

読み方スキルを養ってくれるのは、なんといっても「現代文」です。

現代文では、与えられた文章から書き手の意図を読み取り、テーマを抽出し、それにもとづいて自分の意見を構築する力が求められます。

これは、大学受験のためだけのものではなく、社会に出てからのコミュニケーションや問題解決の場面でも活かされます。国語という科目の枠を超えた、「社会で活躍するための基礎力」であると言えるのです。

私が10年間の教員生活のなかでとくに痛感したのは、東京大学をはじめとした難関大学の入試問題では、読み方スキルのひとつでもある「事務処理能力」が問われているということです。

「難文」を読みこなすには、複雑な構成、専門用語、抽象的な論理展開、これらの情報を頭の中で的確に整理し、意味の流れを自分で構築していく必要があります。これが、読み方スキル的にいう「事務処理能力」です。

「事務処理能力ということは、文章の内容を全部理解する必要があるのでは?」と思うかもしれませんが、「じつはそうでもない」というのがこの話のミソです。

というのも、これまで生きていて、自分の身に起きたすべてのことが起きた理由や意味を完璧に理解してきたという人はいないはずだからです。

次ページが続きます:
【難文読解に活用できる事務処理能力】

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