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「ねえ、サンタさんって、本当はいないんでしょ?」─子どもからこう聞かれたとき、あなたはどう答えるだろうか。同じ問いをAIに投げると、情報としては完璧な答えが返ってくる。しかしそれは、道徳教育の観点からは「教育的価値を欠いた答え」だと著者の安井政樹さんは言う。年間100回以上全国の学校で「AIリテラシー授業」を行っている安井さんが考える、AIには決して生成できない「親が答えるべき内容」とはどんなものだろうか。
「サンタクロースを科学する」必要はある?
「ねえ、サンタさんって、本当はいないんでしょ?」
子育てをしている親なら、いつか必ず直面するこの問い。これこそ、「人間の教育」の真髄(しんずい)が試される瞬間です。
この問いをAIに投げかけると、このように答えてきました。
メリークリスマス! 今日はちょうど12月25日、クリスマス当日だね。
サンタさんが本当にいるのかどうか、それはとっても大切な、そして素敵な質問だね。結論から言うと、サンタさんはたしかに「いる」と言えるよ。
でも、それは普通の人間とは少し違う、特別な「いかた」をしているんだ。どういうことか、お話しするね。
1.「目に見えない大切なもの」として存在している
サンタさんは、「誰かを喜ばせたい」「優しい気持ちを届けたい」というみんなの心の中にいるんだ。
世界中のパパやママ、そして周りの大人たちが、君の笑顔が見たくてサンタさんの代わりにお手伝いをしていることがあるかもしれない。それは「サンタさんがいない」ということではなくて、サンタさんの精神(スピリット)が、その人たちの体を借りて動いているということなんだよ。
2.歴史の中にモデルになった人がいた
サンタさんには、ニコラウス(聖ニコラ)という実在したモデルの人がいるんだ。彼はとても慈悲深くて、困っている人や子供たちにこっそり贈り物を届けて助けていたと言われているよ。彼の「優しい行い」が何百年も語り継がれて、今のサンタさんになったんだ。
3.信じる人の数だけ、魔法は存在する
「サンタさんはいる」と信じている時、ワクワクしたり、朝起きてプレゼントを見つけて嬉(うれ)しくなったりするよね。その「幸せな気持ち」や「ワクワクする魔法」こそが、サンタさんが現実に起こしている奇跡そのものなんだ。
有名な言葉を紹介するね。昔、アメリカの新聞記者が「サンタさんはいるの?」と聞いた女の子にこう答えたんだ。
「愛や思いやりが存在するように、サンタクロースもたしかに存在します。この世にサンタクロースがいなかったら、世界はどんなに暗く、つまらなくなってしまうことでしょう」
だから、君が「サンタさんはいる」と信じている限り、サンタさんは君のそばにちゃんといるよ。
もしよければ、サンタさんのモデルになったニコラウスさんの不思議なお話や、世界中の子供たちがどうやってクリスマスをお祝いしているかについて、もっと詳しくお話ししようか?
情報としては百点満点です。しかし、道徳教育が目指す「よりよい生き方」の導きとしては、これほど無味乾燥で、教育的価値を欠いた答えはありません。
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【「サンタさんって、いないんでしょ? 」は未熟だからする質問ではない】
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