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「やっぱり父親」 京都・男児遺棄事件で《事件を考察する人々》の恐ろしさ…"子どもの死をエンタメ化"したものの正体

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行方不明の子どもが遺体で見つかる事件が相次ぎ、人々の“考察合戦”が加速しています(撮影:今井康一)
  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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第一報の段階から「われ先に」と競うように推理や見解を書き込み、「いいね」「共感した」を求めるほか、他人のコメントにも反応。しかし、情報量が少ないため想像の部分が大きく、なかには「こうなったほうが面白い」というニュアンスの飛躍も目立ちます。

もし自分の推理や見解が当たった部分があれば、今回のように「やっぱり」と誇るようなコメントが飛び交うことも特徴の1つ。

さらに「隙あらば“私刑”を狙う」ようなコメントも散見されるなど、まるで浮き沈みの激しいエンタメ作品のように楽しもうとするムードが感じられます。

その背景としてあげておきたいのは、ドラマの考察ブーム。2019年春から異例の2クール放送されたドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系)以来、視聴者が自分なりの考察をSNSに書き込んで盛り上がる視聴スタイルが定着しました。

実際、今月スタートしたばかりの春ドラマでもゴールデン・プライム帯の約半数が殺人事件を扱い、視聴者の考察合戦をあおるような伏線がちりばめられています。

「考察」ではなく「誹謗中傷」に該当しそうなものも

今回の事件へのコメントを見ていると、“にわか探偵”のように連ドラの考察を楽しむことが日常となった人が、その感覚を現実の事件に持ち込んでいる感は否めないでしょう。

しかし、ドラマも事件も、SNSや記事のコメント欄に書かれたものの多くは個人の発信にすぎず、テレビや雑誌、新聞のように多くの人々によって編集されたものではありません。

「個人の責任はあまり大きくない」と思っているからなのか、コンプライアンスを無視したようなものも多く、考察ではなく誹謗中傷に該当しそうなものもあります。

もし「ドラマも事件も、自分とは関係性のない人のことだから、深く考えすぎず同じように楽しんでいる」としたら、怖い時代になったのではないでしょうか。

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【民放各局の情報番組がエンタメ化や考察合戦を促している】

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