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かつてメディアを賑わせた「アグネス論争」から40年…上野千鶴子が辿りついた意外な《フェミニズムの現在地》

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男性の「男女平等」に対する考え方には誤解があったという(写真:Graphs/PIXTA)
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でも女性であれば誰でもいいとは私は思わない。高市さんの政策には期待できません。これまでだって女性差別をなくす方向の政策に反対してきた人だからです。女性差別をなくしてくれる政治家であれば、性別を問いません。

アグネス 弱者というのは、どこで比べるかだと思う。男の方が強いのは誤解です。女の人の方が強いと私は思います。女の人は子どもを産む。これは男性がどうやってもできないことです。

だからこそ彼らは女性を閉じ込め、他の男性に触れさせない、自分の子どもを産ませるということをやってきたわけです。女の人に自分は強いとわからせないように、あらゆる手段で押さえ込むのです。

上野 それが、家父長制の説明に使われてきたのです。そんなふうに言うと男性支配を合理化するように聞こえてしまいます。強い女に嫉妬した男性達が女性を封じ込めたのだ、と。

問題は家庭の中に「市場原理」を持ち込むこと

アグネス 私は母の権利が常識として残っている国をいくつも訪ねたことがあります。たとえばブータンでは、母親が人生の中で複数の男性との関係を持つのがタブーではないんです。男性が結婚後、年上の女性の家に入るケースもとても多いんです。

財産を娘に残すようにするため、1つの家族の中に、父親が違う子どもが一緒に暮らしているということもあります。社会の仕組みが問題なんです。財産は息子だけ継ぐというシステムを変えなければ。女性の立場がかなりよくなります。

上野 確かに女性にも相続権があるところでは女性の地位が高い傾向があります。近代法では男女共に平等な相続権があるので差はないはずですが、現実的には長男に相続させるために、娘に相続権の放棄を迫ることもあります。

最近では妻の権利が強くなったので、夫が亡くなると夫の資産の2分の1が妻のものになります。だから女性の不動産所有者が増えました。「女三界に家なし」の時代ではなくなりましたね。でも、所得には男女格差があります。

とはいえ、その言い方では、お金を持っている人が一番偉いと聞こえてしまう。私は、家庭の中に市場原理を持ち込むことに問題があると思う。

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【最も平等な家庭というのは…】

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