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「単なるけがと思っていた」モルモットの死 「本当の死因を知りたい」と願った飼い主に告げられた"意外な真実"

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餌を食べるモルモット
温和な性格で人気のモルモット。長生きしてもらうためにも健康チェックは欠かせません(写真:e03586/PIXTA)
  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者
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届けられた遺体を解剖してみると、鼠径(そけい)部(足の付け根)にある乳腺にゴルフボール大のしこりが見つかりました。乳腺腫瘍です。モルモットは胸ではなく、足の付け根に乳腺があるのが特徴です。

腫れと膿は、腫瘍の一部が壊死(えし)し、細菌による二次感染が起きていたことによるものだったのです。さらに全身の組織を顕微鏡で詳しく観察した結果、がんの転移は認められなかったものの、最終的に「死因は乳がんによる衰弱死である」と診断しました。

「オスに乳がんができるなんて」

病理診断の結果をお伝えすると、飼い主さんは「オスに乳がんができるとは思いもしませんでした」と驚いておられました。そう、モルモットはメスだけでなくオスにもよく乳腺腫瘍ができるのです。

なにが原因でそのようなことになるのかはまだよくわかっていませんが、メスよりも圧倒的にオスに乳腺腫瘍が多く発生します。

原因がなんであれ、飼い主さんはできるだけ早く異変に気づいてあげることが大切です。

たとえば、飼い主さんはモルモットとの日頃のスキンシップの中で、体にしこりがないかをチェックする習慣をつけるとよいでしょう。もちろん、モルモットが安心して触らせてくれるよう、普段から信頼関係を築いておきましょう。

腫瘍は、発見が早ければ早いほど、外科的切除によって根治できる可能性も高くなります。日々体重を記録しておくことなども、体調の変化をいち早く察知する助けになります。

また、このときの飼い主さんは自身の判断で、人間用の抗菌薬が入った塗り薬を使用されていましたが(お仕事は看護師をされているとのことでした)、動物に何か薬を使うときは、原則として獣医師の診断を受け、その処方に従うべきです。

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【死因は今もわからないまま】

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