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【すでに人道問題だ】日本政府内にホルムズ危機の長期化を懸念する声、ペルシャ湾内の船舶を出すことが喫緊の課題に

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オマーン沖のホルムズ海峡を航行する船舶。4月12日撮影 (写真:ロイター)
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高市早苗首相は同日昼の政府与党連絡会議で、「ペルシャ湾内にとどめ置かれている船舶、日本関係の船舶を含むあらゆる船舶の安全確保に向けて、引き続きあらゆるレベルで主体的に取り組みを進める」と強調した。米とイスラエルがイランを攻撃した2月末、ペルシャ湾内には日本の関係船舶45隻がいた。これまでに3隻が湾外へ出たものの、2週間の停戦で合意した4月8日以降は新たな動きがない。

前出の政府関係者は「日本として真っ先に取り組まなければならないのは、関係船舶をペルシャ湾から出すことだ」と指摘。「船員が置かれた状況を考えれば、すでに人道問題だ」とした上で、イランとの個別交渉を強める必要性に言及した。

「俯瞰した戦略」の欠如

もう一つの課題は、事態の長期化が見えてきた中で原油と石油製品の需給をどうやりくりするかだ。高市氏はこの日、ガソリンや重油などの価格を抑える措置や、ナフサ由来の化学製品などの供給確保などに取り組んでいるとし、「国民の皆さまの命と暮らしに影響が生じないように力を尽くす」とも強調した。

だが、与党内には依然として危機感が強い。政務三役経験がある自民党衆院議員は「政府は全体像を俯瞰した戦略が立てられていない」と苦言を呈する。いくら財政支援をしても、実際の原油や石油製品が不足すれば元も子もないからだ。同議員は「党も経産省も高市早苗首相の顔色を見ている。何が効果的な政策なのかまったくまとめ切れていない状況が続いている」と語った。

見通しが晴れない中、間もなく大型連休を迎える。前出の政府関係者はこう高市氏の心境を推し量った。「国民に節約を呼びかける気はまったくない。経済最優先で、国民にとってきつい話はしない。もはや、それが政権のポリシーになっている」

(鬼原民幸、竹本能文 取材協力:杉山健太郎編集:久保信博)

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