「私より2歳年下なのにバツ2のシングルマザーで、常に彼氏さんがいるような人です。紹介したい独身男性がいると言われたけれど、私は大阪住まいのベンチャー企業社長とも会っていました。それでもいいかと相談したら、『今から結婚したかったら5人は同時に走らせなアカンで。子どもが欲しかったら10人でも少ないぐらいや』と言うんです(笑)。どうせ脱落者が続出するので、という意味です」
そして紹介された文則さんは、真夏の京都でもなぜか長袖姿。黒髪・色白・オシャレじゃないメガネという麻美さんの好みど真ん中な、非現代的な風貌の男性だった。
「私が勧めた星新一の短編集も買って読んでくれました。今までの彼氏にはそんな人は一人もいなかったので嬉しかったです」
いったいどんな人たちと付き合ってきたのかとツッコミを入れたくなるが、とにかく麻美さんは前のめりになった。
文則さんは国家資格を持って士業をしているが、年収は1000万円に達していない。ただし、資格を取るまではパチプロとしてチームを作って稼いでおり、「自分で考えてお金を作る能力がある人だ」と麻美さんは判断。母親の目を気にしなくなったので、学歴や職歴などのスペックはどうでもよくなっていた。
キスしてみて「生理的に無理じゃない」
「40歳になる直前だったので、初デートでキスするように仕向けたんです。キスしてみて、私は生理的に無理じゃないとわかったし、彼のほうも盛り上がってくれました。でも、『付き合う意思はある。けど、自分は結婚願望がないので付き合わなくてもいい』なんて言うんです」
文則さんは当時37歳。10歳年上の姉はすでに結婚して独立して子育てをしている。自分は母親と実家暮らし。寂しさも不自由も感じない生活で、仕事に没頭したいと思っていたのかもしれない。麻美さんは紹介者である大家さんに泣きついた。正しい選択である。
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