前のめりでしゃべりまくる麻美さん。オタク気質の文学少女の片鱗を感じられる。そして、他人の分析は得意だけれど、若い頃は自信も自己理解も足りなかった。「ちやほやされると認められている気がした」と振り返る。
「クラブ通いをしてナンパ待ちをしていたような時期もあります。でも、付き合ったのは深みのない人ばかり。私自身も屈折していました。『可愛いね』と褒められても、自分の中身を見たうえではないと冷めていたり。母に複雑な感情がある私に寄り添ってくれない人や、遠くに住んでいて毎週会えない人には不機嫌になったり。未熟でした」
愛してくれない母に認められたくて
読書好きの麻美さんは心理学の本などを読み漁り、愛してくれない母親に執着している自分に気づく。30歳になっていた。
「母は気性が激しい人で、体罰がすごかったんです。掃除機のホースで殴られたり……。今だったら確実に児相案件です。父は『無』みたいな人で守ってくれません。母が会社を作るときには、勝手に私名義の借金をさせられたりもしました。でも、そんな母に振り向いてもらいたい、愛してもらいたいと思い続けていたんです」
自分の歪みに気づいてもすぐには修正できないこともある。麻美さんの場合、スペックを重視する母親に認めてもらおうと、いわゆる「ハイスペ男性」をマッチングアプリで探し始めた。33歳のときだ。
「年収は1000万円以上が最低条件でした。儲けていても怪しい経歴の人は除外です。マッチングする人は東京に多いので、しょっちゅう遠征していました」
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【丸1日一緒にいられない、東大卒フェラーリ男】
