カバンの価格はオーダー内容によって差はあるが、3万円から4万円台が主流。前述のランドセル平均購入額より安いが「私立小学校の場合、価格以上に品質、機能性に価値を感じて、選んでくださっています」と広報担当者は言う。
導入後のアフターサポートでも、学校や保護者から信頼を得ている。
「弊社は何十年も中学校のカバンを作ってきましたが、おそらく人生で一番乱暴に扱われるカバンですよね(笑)。修理対応もしてきましたので、どういったところが傷みやすいかもわかっています。
これまでの経験を生かし、各校のニーズをできる限り叶えるカバンを作れるのが強みです。フルオーダーのコストを考えると、大企業では割に合わないかもしれません」(辻本氏)
同社は公立学校の学校指定カバンからは撤退したものの、私立小のニーズに特化することで、新しい活路を見出しているのだ。
学校カバン見直しの本質
とはいえ、ランドセル型リュックを検討したものの、これまでの伝統や高級感から現行のランドセルを継続する学校も多々あるという。
だが、それも当然のことである。伝統を変える決断は簡単ではなく、ランドセルを背負ってほしいという保護者や学校関係者の気持ちもわかる。
しかし、今や子どもの学校生活も大きく変化しており、時代の流れに応じてランドセル「だけではない」選択肢も含め柔軟に考えることもいいのではないだろうか。
ランドセルを続けるか、見直すか。
問われているのはカバンそのものではなく、子どもたちを取り巻く環境が変わる中、学校生活に何を優先するのかという判断である。私立小学校の学校カバン改革は、その小さな象徴といえるかもしれない。
