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私立小にもランドセル「だけではない」選択、じわじわと 「学校指定カバン」で実績上げる奈良の縫製企業

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“進化型”ランドセルのベースモデル
「人工皮革×ナイロン」による“進化型”ランドセルのベースモデル(写真:ダイワホーサン)
  • 岡 真裕美 大阪大学大学院人間科学研究科安全行動学研究分野 特任研究員
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私立小学校の学校指定カバンでシェアを伸ばしている企業がある。奈良県宇陀市のダイワホーサン(辻本小百合代表)だ。

1966年、バッグの縫製加工業からスタートした同社は、特殊な縫製品の開発や裁断、縫製に強みを持つ。国内自社工場による一貫体制で、現在では熟練した職人が電車の座席シートや救急車の内装、高級車のサンシェードなども含め、多岐にわたる製品を手掛けている。

一般にも販売しているリュック型通学カバン。特殊ナイロン生地で作られたカバンは軽くて丈夫で、通学や通塾、課外活動などでも重宝されている。ランドセルの代わりとして通学に使う場合は安価で済む(写真:ダイワホーサン)

公立校の学校指定通学カバンを作ってきたが…

もともと同社は、公立学校の学校指定カバンで実績を挙げていた。

きっかけは1980年代後半、同社に地元の公立中学校から、学校カバンを作ってほしいと依頼がきたことだ。企画担当者と当該中学の校長が何度も相談を重ね、肩掛け、手持ち、リュックとして使える3wayバッグを作った。

そのバッグの耐久性が高く、破損した際の修理対応も同社が行うことで3年間問題なく使えると評判になった。

1980年代に制作した最初の学校カバン。その後、学校ごとに異なるデザインで作成(写真:筆者撮影)
負担が少なく通学できるよう、肩掛け、手持ち、リュックとして使える3wayは当時斬新だった(写真:筆者撮影)

その後宇陀市、宇陀郡の全公立中学・高校の計8校で採用され、評判が評判を呼び奈良県内のみならず、ピーク時には近隣府県を含めて101校のカバンを取り扱うまでになった。

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【公立学校との取り引き撤退を苦渋の決断】

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