そこで、本稿では、長く投資を続けていくに当たり、何かあったときの自分の動揺を少しでも小さくするために、どんな条件のファンド選びをしたらよいか、そして、そうはいっても抑えられない「心の揺れ」とどう向き合うかという、ハードとソフト両面から、お話をしてみたいと思います。
長く投資を続けるためには、自分の心が折れない、あとから後悔しない「投資対象」を選ぶことが大切です。どれほど意志の強い人であっても、値動きが極端に大きく、しかもその理由が明確とはいえないとなると、心は簡単に揺れ動いてしまいます。
逆に、値動きが過度に荒くなく、下落局面でもその理由がある程度、想定できる投資対象を選んでいれば、煽情的なニュースを見たり、不安視する他人のコメントなどを聞いても、その空気に左右されにくくなります。
長期でうまく投資を続けている方には、必ずといっていいほど、こうした続けやすい値動きの投資先を選んでいるという共通点があります。
そこでまずは、長期で持ち続けやすい投資先を考えるうえで押さえておきたいポイントを、順を追って説明していきます。
「局所的な市場変動」に左右されにくいオルカン
まず、投資対象を選ぶ際に重要なキーワードとなるのが「世界分散」です。
投資とは、AIの進化、地政学リスク、資源問題、サプライチェーンの再編など、常に想定外の出来事と向き合う営みです。こうした不確実性に対して最もシンプルで実効的な防御手段が、地域や国、企業に偏らない「分散」です。
かつては特定の国や地域、テーマに投資を集中させる戦略が有効だった時代もありましたが、現代ではどの地域も、どのテーマも永遠に安泰とはいえません。むしろ、未来の不確実性が高まる中では、世界中に分散投資し、特定の国や地域に依存しない構造を持つことが、より堅実なリスク管理の方法となります。
こうした考え方を最も手軽に実現できるのが、オルカンをはじめとする全世界株式型のファンドです。世界全体の株式市場を1本でまとめて取り込む仕組みは、国や地域の偏りを排除し、投資家がニュースや局所的な市場変動に左右されにくい設計になっています。
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【特定の国や銘柄に過度に依存しないバランス】
