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中国人留学生が「慶應でなく早稲田を選ぶ」深い理由 背景には、早稲田で学んだ「中国人エリート」たちの軌跡が

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早稲田大学
中国人の留学先として人気の早稲田大学。その背景には、歴史的な繋がりがあった(写真:i-flower / PIXTA)
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以前紹介したように、近年の中国では、「コストと質のバランスが良い選択肢」として日本の大学への留学が人気だ。

その中でも早稲田大学は、「入試制度が比較的多様」、「英語・日本語両方でのプログラムがある」、「就職実績が強い」といった点から、「現実的かつ魅力的なトップ校」として選ばれやすい。

北京大学や清華大学への合格を逃した学生たちが、早稲田大学に比較的容易に合格する――。彼らにとって、これはコストパフォーマンスに優れた選択肢だと言えるだろう。

慶應の知名度は早稲田ほど高くない

慶應義塾大学(写真:i-flower / PIXTA)

日本では、慶應義塾大学は早稲田大学と並んで、私立大学の雄と称される。一方、慶應義塾大学は福沢諭吉の思想的影響力は大きいものの、中国人留学生の規模や中国での影響力の広がりでは早稲田に及ばなかった。

戦後以降の対中交流の差も重要である。早稲田は中国の大学との学術交流や留学生受け入れを積極的に進め、中国国内での校友ネットワークを拡大したのに対し、慶應はやや国内志向・少人数教育の色彩が強く、中国との接点が相対的に限定的であった。

さらに、ブランド認知の性格の違いもある。慶應は日本国内ではエリート校として高い評価を持つが、その価値は日本の企業社会や同窓ネットワークに根ざしており、海外、とりわけ中国では可視化されにくい。一方、早稲田は「開放的・大衆的・国際的」というイメージが伝わりやすく、結果として知名度の差につながっている。

こうして見ると、早稲田大学の知名度は単なる大学ランキングによるものではない。近代中国との歴史的関係、中国人卒業生の広範なネットワーク、そして直感的に把握しやすいブランド性と文化的影響力――それらが重なり合った結果である。

言い換えれば、早稲田は中国において「学歴」にとどまらず、「歴史と人脈を体現する大学」として認識されている。その点こそが、他の日本の大学との知名度の差を生み出しているのであろう。

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