4. 実行した場合の影響を考えていない
施策を実行したときに何が起きるかを考えていないと、現実離れした提案になりがちです。予算がないのに大規模な施策を提案する、必要なスキルを持つ人材がいないのに高度な技術を要する施策を提案する――「よく考えてから持ってきて」と言われてしまう典型的なパターンです。
深さは才能ではなく、問う観点の数で決まる
多くの人が誤解しているのは、「たくさん調べる=深く考える」という等式です。
情報量を増やすことと、検討の幅を広げることは別の話です。1つの視点について100ページの資料を作るより、4つの視点からそれぞれ考えた1ページのほうが、「深く考えられている」と評価されることがあります。
上司が求めているのは、情報量ではなく「検討の抜け漏れがないこと」なのです。
では、どうすれば「検討の幅が広い」たたき台が作れるようになるのでしょうか。
先ほどの競合A社の価格値下げの例で考えてみましょう。浅い提案と良いたたき台の違いは何なのか。
浅い提案の例
良いたたき台の例
当社が価格で対抗すると利益率が大きく下がりますが、サポート体制を強化することで差別化できます。
具体的には、導入後3か月間の専任サポート付きプランを打ち出します。初期費用は据え置きでも、トータルコスト(購入費+運用費+トラブル対応費)で比較すると、当社の方が年間約15%安くなる計算です。
この良いたたき台には、複数の視点、比較検討、定量的な根拠、実行可能性――すべてが含まれています。これが「考えが深い」の正体です。
「考えが浅い」という評価は、地頭の良さや才能の問題ではありません。「どういう観点から考えるべきか」を知っているかどうかの問題です。そしてその観点は、学べます。「仕事の方程式(現状×打ち手=期待する成果)」という構造をもとに、何をどの順番で考えればいいかは体系的に学べるのです。
「考えが浅い」と言われなくなる日は、必ず来ます。

