『昨日の一部報道番組で、ナフサの供給について、「日本は6月には供給が確保できなくなる」との指摘がありました。ナフサについては、既に調達済みの輸入ナフサと国内での精製2ヶ月分に加え、ポリエチレン等のナフサから作られる中間段階の化学製品(川中製品)の在庫2ヶ月分(ナフサ精製が仮にゼロであっても需要を満たす供給ができる期間)で、少なくとも国内需要4ヶ月分を確保しています。
また、足下では、国内でのナフサ精製の継続(約110万kl/月相当(2024年平均))に加え、中東以外からのナフサ輸入量も倍増すること(約90万kl/月相当)によって、昨年の平均的な国内需要量(約280万kl/月)を満たすにあたっても、前記の川中製品の在庫(ナフサ換算で約560万kl)を使う量も減らすことができ、その在庫期間は半年以上に伸びます。
加えて、現在、その川中製品の世界からの新たな調達も強化しようとしています。したがって、当該報道にある「日本は6月には供給が確保できなくなる」という指摘は事実誤認であり、そのようなことはありません。これからも、国民生活と経済活動に影響を生じることのないよう、安定供給の確保に全力で取り組んでまいります』
高市早苗首相は4月5日、Xにこのようなポストを行った。
個別製品の不足懸念は払拭できず
原油を精製して作られるナフサは、高温高圧下で分離することでエチレン、プロピレンといった石油化学基礎製品を得られる。その石化基礎製品からポリエチレンなどの石化誘導品が作られ、さらにプラスチックや合成樹脂など、身の回りの多様な製品の原料になる。
日本は国内で使用するナフサの約8割を中東から調達している(ナフサとして輸入分に加え、中東産原油を国内で精製した「国産ナフサ」の合算)。ホルムズ海峡封鎖を受けてナフサ不足、ひいては幅広い石化製品の不足が起きるリスクが無視できなくなっているのは紛れもない事実だ。
経済産業省は従来通りの量の調達めどが立っているのは約2カ月分と推測(3月30日時点)したうえで、川下の誘導品在庫を含めれば、約4カ月は最終製品の供給に支障はないとしている。
ただし、ナフサ由来の石化製品は多種多様。誘導品はそれぞれ特性が異なるうえ、特定の誘導品だけを大量に作り出すことはできない。全体として約4カ月の在庫があったとして、個別製品がすべて足りるかどうかはまた別の話だ。
「6月には供給が確保できなくなる」が、ナフサの完全な途絶を意味するのであれば、起こる可能性は限りなく低く、業界や政府も調達多様化に努めているが、一部での供給難が起きる可能性であれば現状、否定しきれない。




















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