男性の家事・育児参加は進んだが…夫の疑問「なぜ妻は効率が悪いのか?」に潜むズレ《終わらぬ子育てのタイパ議論》

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そう考えると、21時までにすべての家事育児を完了できる私(この場合、夫)が、できない相手(この場合、妻)に「諭してやろう」という発想自体が、ビジネス的生産性思考に囚われすぎていると感じてしまう。

家庭に「効率」を持ち込みすぎていないか

「自分はできるのに、妻は時間がかかりすぎる」という見方には慎重でありたい。その差は、家事育児を効率的に回すことができるスキルや段取り力の差ではなく、見えている仕事の範囲や、子どもへの関わり方の深さの差かもしれないからだ。

この配信は、2025年Voicyエピソードアワードにノミネートされるほど反響が大きかった。おそらく多くの家庭で似た構図が繰り返されているのだろう。多くのリスナーの実感に触れたのだと思う。

共働きが当たり前になり、男性の家事・育児参加も進んだとはいえ、家事分担は進んでも、育児にまつわる分担や、見えにくいケアに関する負荷の共有は、まだ十分ではない。今回は、夫→妻、の質問だったが、妻→夫の質問でも、散見される話である。

家庭内で本当に必要なのは、「効率の悪い相手をどう指導するか」ではない。相手が何に時間を使っているのか、その時間が何を支えているのかを、いったん自分の物差しを外して見ようとすることではないだろうか。

効率化できる部分は、もちろんある。しかし、効率化しないほうがよい部分もある。その線引きを、家庭の中で話し合うこと。それこそが、家事・育児の分担をめぐる対話の出発点なのだと思う。

尾石 晴 Voicyパーソナリティ

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おいし はる / Haru Oishi

音声メディアVoicy「学びの引き出しはるラジオ」でパーソナリティーを務める。

大学卒業後(心理学専攻)、外資系メーカーに16年勤務。転勤5回、管理職の経験あり。2020年に退職し、独立。2年間のサバティカルタイムを経て、現在は大学院博士課程(感性学)に在籍中。

(株)ポスパムの代表として、オンライン・スタジオヨガ「ポスパム」と、母と子のシェアコスメ「soin(ソワン)」の運営も行っている。

著書に『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『「やりたいこと」が次々見つかる! 自分らしく生きている人の学びの引き出し術』(KADOKAWA)など。

2013年、2016年生まれの男児2人の母。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事