男性の家事・育児参加は進んだが…夫の疑問「なぜ妻は効率が悪いのか?」に潜むズレ《終わらぬ子育てのタイパ議論》

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「妻が仕事で遅くなる日には、自分が一人で夕方から子どものお迎え、食事、洗濯、翌日の準備、寝かしつけをしても、だいたい21時前には終わる。

しかし、妻が主に回している日は、21時半から22時、時にはそれ以上の時間まで子どもが起きていることがある。妻のやり方が非効率なのではないか。できれば、子どもたちを21時には寝かせたい。妻が気分を害さないように、何か助言できることはないか」

一見すると、もっともな疑問に見える。質問者は働きながら家事も育児も担っているが、自分がやれば一定の時間内にそれらを終わらせられる。自分なら21時就寝を達成できるのに、なぜ妻にはできないのか——。

そう考えたくなる気持ちは理解できる。だが、私はこういった内容に触れるたびに、家事と育児を同じ尺度で捉えてはいけないと感じる。

家事はマニュアル化できても育児は違う

家事は、ある程度までならマニュアル化できる。洗濯機を回す、洗濯物を仕分ける、干す、畳む。料理や片付けにも段取りはある。もちろん細部の差はあっても、手順を整理し、役割分担を明確にすれば、一定の再現性を持って進めることができ、必要な時間もおおよそ読める。

一方で、育児はそうはいかない。なぜなら、相手が子どもだからである。子どもの機嫌、園や学校での出来事、体調、兄弟関係、親との関係性。そのすべてが、その日の「進み具合」に影響する。

しかも子どもは、相手をする大人によって反応を変える生き物だ。母親には甘えて時間がかかるのに、父親が相手だと比較的すんなり動く子がいる。私も子どもだった頃、父親がたまに面倒を見てくれると、「わがままを言って困らせてはいけない」と思い、静かに言うことを聞く子であった。

また、何をもって、今日の家事育児が終わったとみなすかの基準も、親によって違う。たとえば、父親が「21時には寝室に行ける」と言うとき、その中には何が含まれていて、何が含まれていないのだろうか。

寝室に入る前までに、小学生の宿題の丸つけは済んでいるのか。明日の時間割や持ち物確認はしているのか。子どもの話を聞く時間は取っているのか。もしかすると、父親は「そこまでは見ない」「それらは子ども本人の責任」と考えているかもしれない。

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