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「症例数が多ければ安心」「標準治療が最良」は本当か? 40年間患者を診てきた医師が本音で語る"がん病院選びの真実"

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患者を診る医師
本当に知っておきたいがんとの向き合い方とは、どのようなものなのでしょうか?(写真:Peak River/PIXTA)
  • 新見 正則 オックスフォード大学医学博士・新見正則医院院長
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がん治療は「運」だと思える人にとっては、臨床試験はできればやる、できなければやらない、無理にやらない、でよいと思います。しかし、選択肢が多いことは、私は素晴らしいと思っています。

※集学的治療:手術、抗がん剤治療、放射線治療などから複数を組み合わせて進める治療のこと

自費診療扱いの先進医療

⑤先進医療を行っている病院

厚生労働省が先進医療と認めると、自費診療扱いですが、保険診療との併用(混合診療)が可能になります。先進医療と認められないと、併用される保険適用の医療(検査も治療も)は自費診療扱いになります。

先進医療のすべてが患者さんに御利益があるかはわかりません。

しかし、お金を少々払っても行いたい保険適用ではない治療を選ぶと、本来なら保険でカバーされる部分まで自費診療になるというのは、皆保険でフリーアクセスをうたって世界的に素晴らしい医療を提供している割には、ちょっと矛盾しているように私には思えます。

『患者さんのためのがん治療ハンドブック どの病院、どの治療、どの医師、そして最も大切なものは?』(新興医学出版社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

いろいろな選択肢があっていいと思うのは私だけでしょうか。

■私ならこう言い訳する

先進医療はまだ標準治療ではありません。標準治療が現状では最良の治療です。

■でも実際は

経済毒性※を考慮すれば、標準治療が最良の治療であることにまったく異論はありません。しかし、経済毒性を考慮しても、つまり少々のお金を支払っても、保険診療以外の治療を受けたい人には、標準治療は最良の治療ではありません。

ある日突然に保険適用になった日から、標準治療の内容が変わるのは、論理的に無理があります。標準治療以外にもベスト、ベターな治療は少なからず存在するのです。

※経済毒性:診断・治療による負担ががん患者やその家族に与える経済面などのさまざまな苦痛のこと

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