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「1日10時間労働or給料減額」社労士が語る《週休3日》普及のカギ

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働く若者
「週休3日制」のメリットとデメリット、普及に向けた課題について考えます(写真:HHImages/PIXTA)HHImages/PIXTA
  • 和賀 成哉 社会保険労務士法人大槻経営労務管理事務所 OS局局長
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企業にとっては、多様な人材が活躍できる職場を実現するために、短時間で同等以上の成果を出すための業務改革とセットで取り組まなければならないハードルの高い経営課題といえます。

普及のカギは制度設計と労使の合意形成にある

週休3日制が今後日本企業に広く定着していくかどうかは、緻密な制度設計と十分な労使の合意形成にかかっています。

まず制度設計において重要なのは、自社の経営課題と導入目的を明確にし、それに最適なパターンを選択することです。

先述のように、週休3日制には労働時間・給与を維持するタイプと労働時間・給与を削減するタイプがあります。例えば、社員の多様なニーズに応え自発的な成長を促したいのであれば、「労働時間・給与を維持するタイプ」が有効に機能します。

一方で、育児や介護、健康状態による離職を防ぐワークシェアリング的な目的であれば、「労働時間・給与を削減するタイプ」が適しています。一定の要件のもと、どちらかを選択することができる制度にすることも検討に値するでしょう。

次に不可欠なのが、労使間の丁寧なコミュニケーションと合意形成です。社員にどのようなニーズがあるのかアンケートを実施したり、週休3日制が導入されることによるメリット・デメリットを説明する機会を設けたり、あくまで選択制なのでどちらか一方を推奨しているわけではないことを伝えるなど、時間をかけて社員の理解を得ていくことが求められます。

給与や労働時間の変動が伴う場合、社員への丁寧な説明を怠ると、不満やモチベーション低下、最悪の場合は離職を招くおそれがあります。制度導入の目的を会社と社員でしっかりと共有し、納得感を持って進めることが重要です。

週休3日制の導入は、人手不足の時代を迎える中で、社員の帰属意識を高め、企業を持続的に成長させていくための選択肢の一つとして魅力的な人事施策です。社員の多様なニーズを満たすと同時に業務の棚卸しによる生産性向上とセットで取り組むことで、企業と社員の双方に大きなリターンをもたらす制度となり得ます。

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