首都圏729駅で始まったクレカ乗車、IC化率98%の現実と「改札外乗換」が阻んだ普及の壁とは
だが、国内の日常利用者にとっての位置づけは異なる。東急電鉄の伊藤篤志鉄道事業本部長はこう語った。「日本人に関してはインバウンドほどの意義は少ない。東急のIC化率は98%。あと2%をどう移行していただくかの打ち手だ」。
クレカ乗車がICカードを置き換えるという見方とは、だいぶ距離がある。伊藤氏は具体的な場面として「ICカードを今日忘れた方が切符を買わずに乗車いただくための手段」を挙げた。東京メトロのIC化率も約95%で、残る5%は切符と企画乗車券だという。
東急の場合、相互利用開始前のクレカ乗車の利用件数は1日約4000件。全体に占める割合は1%にも満たない水準だ。上昇傾向にはあるが、ICカードの圧倒的な存在感は揺るがない。
関西で普及を後押ししたキャンペーン施策についても、首都圏では「大変有効であるという認識だが、今後の課題」と述べるにとどまった。海外向けの周知も各社が個別に行う状況で、共同プロモーションの計画はないという。
すでに福岡市地下鉄では、1日640円・月額1万2570円を超えると自動的に請求が止まる上限制を導入しており、定期券を買わなくてもクレカ1枚で同等のメリットを受けられる。江ノ島電鉄でもアプリ経由で1日乗車券をタッチ決済で利用できる仕組みが動いている。だが、関東11社局でこうしたサービスの導入は未定だ。
JR東日本は参画せず、独自路線を歩む
11社局の顔ぶれを見ると、JR東日本と京成電鉄が入っていない。会見で他社の参加見通しを問われた小川氏は「個別の意向についてはお答えできる立場にない」と前置きしつつ、「ICカードが主軸」「JR東日本や京成とも連携は深めていく」と述べた。





















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