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首都圏729駅で始まったクレカ乗車、IC化率98%の現実と「改札外乗換」が阻んだ普及の壁とは

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  • 石井 徹 モバイル・ITライター
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では首都圏はなぜ1年半も遅れたのか。最大の壁は運賃計算の複雑さだった。

東京メトロの小川孝行鉄道本部長は会見で「広汎かつ入り組んだ運賃計算に対応するため、新たなシステムを開発した」と説明した。具体的な課題は以下の2点だ。

東京メトロの小川孝行鉄道本部長が相互利用の対象エリアを説明した(写真:筆者撮影)

1つは、直通運転で複数の事業者をまたぐ場合に、複数ある乗車経路を比較して最安運賃を算出しなければならないこと。もう1つは、東京メトロや都営地下鉄に特有の改札外乗換駅の存在だ。上野駅で銀座線から日比谷線に乗り換える場合、いったん改札を出る必要がある。切符やICカードでは60分以内なら連続した1つの移動として運賃計算しているが、クレカ乗車でも同じ扱いを実現する必要があった。

11社局とオムロン ソーシアルソリューションズが協働して開発したこの運賃計算システムが、三井住友カードの「stera transit」やQUADRACの「Q-move」と連携することで、相互利用が実現した。従来はQ-move側で運賃計算とカード認証の両方を担っていたが、運賃計算を専用システムに分離した構成だ。基本的な運賃計算のロジックはICカードと同じで、最安経路を採用する考え方も踏襲しているという。

インバウンドには朗報、だが国内は「残り2%」

クレカ乗車の最大の恩恵を受けるのは訪日外国人だ。ロンドンやニューヨークの地下鉄ではすでにクレジットカードのタッチ決済による乗車が普及しており、海外旅行者にとっては慣れた乗り方でもある。日本に来て交通系ICカードを買い、チャージ方法を調べる手間がなくなる。

会見で示された課題のスライド。券売機前で外国人が列をなし、駅員の案内が必要な状況が生じている(写真:筆者撮影)

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【国内の日常利用者にとっての位置づけ】

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