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キャリア・教育 #学校という身近な”異世界”の物語「知られざる教員のリアル」

校則違反バレても「ゴネたらOK」?"ゴネ得"を学ぶ生徒と我が子の嘘をかばう親に絶望…「教育の崩壊」を予感した教員の嘆き

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先生がふてくされた生徒を指導する様子
生徒のメイクを指摘しても「落ちてなかっただけ」とゴネられる。嘆く教諭の話を聞いた(画像:pearlinheart / PIXTA)
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その親子は結局、最後まで髪の毛を染めていることを認めなかったという。

現場の教員と管理職の間の温度差

校則違反を確信して注意しても、生徒と保護者が受け入れず、一緒になってゴネる。そんなケースがじわじわと増え、時には校則違反の指導をめぐって学校に内容証明が送られてくることもある。

「管理職としては生徒指導で厳しくすると、学校評価サイトに『頭ごなし』『証拠もないのに疑われた』などと書かれ、受験者数が減少して経営に影響することを懸念しているのでしょう。

けれど、学校のブランドを守らなければなりませんから、校則もそれをしっかり守らせるという学校の方針も変わりません。そうなると現場の教員はその方針に沿って指導することになります」

現場の教員が生徒を指導するうえでは、管理職にどのような姿勢でいてほしいと思うのだろうか。

「保護者に対し、『本校の教員は生徒たちをしっかり見ています。自信を持ってこう言っているのだから、こうです』という姿勢を示してほしいのです。管理職になると、どうしても現場や生徒との距離ができてしまい、教員たちの動きが見えづらくなるのは理解できます。

しかし、私たち現場の教員は日々、生徒たちを見て、丁寧に指導しているわけです。それなのに、管理職が保護者に『まあ、教員も生徒一人ひとり細かく見られるわけではありませんから』などと言われると、『こっちはちゃんと生徒を見ています!』と言いたくなりますね」

文部科学省の調査では、精神疾患による病気休職者数は7000人を超えており、その要因として「児童・生徒に対する指導そのものに関すること」が最も多くなっている。

こちらは公立学校を対象とした調査ではあるものの、教員にとって児童生徒に対する指導は、負担になりやすいということがわかる。

「大学の教員養成課程で保護者対応は学ばないので、教員はみんな手探りでやっています。しかも、授業や生徒への指導、部活の顧問などを行った上で保護者対応をしなければなりません。

学年主任を経験して、改めて保護者対応が最も大変だと感じました。優秀な教員でも、一般企業などに勤めてから教員になった人でも、保護者対応の難しさからやめてしまう人がいますから。こういう話をすると、ますます教員不足になるのではと心配なんですけど……」

生徒への指導に加えて教員を悩ませる保護者対応の難しさ。そこに、「波風を立てたくない」という管理職の思いが重なり、悩む現場の教員たち。曖昧なまま進むしかない教員たちの悩みが尽きることはなさそうだ。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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