『暮らしのおへそ』編集ディレクターが60歳を過ぎて手放した「褒められたい」の呪縛、「気にしい」が変わったきっかけ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ポットと朝食
(写真左)温かいお茶がいつも飲めれば安心。朝、保温ポットに一保堂茶舗の「いり番茶」で、たっぷりと作りおく。/(写真右)朝食に何を食べるかを試行錯誤。今は、米大さじ3に水1カップを加え、20分ほどコトコト炊いてお粥に。梅干し1個をのせて(写真:『褒められなくても、生きられるようになりましょう』より、撮影:馬場わかな)
SNSの「いいね」や職場での評価など、私たちは日常的に“誰かの評価”にさらされています。仕事、家庭、人間関係……、多くの人が「認められたい」という思いを抱えながら生きているのでは。
雑誌『暮らしのおへそ』で編集ディレクターを務め、暮らしに寄り添う文章で人気のエッセイスト・一田憲子さんも、若いころから「褒められる」ことが大好き。しかし60歳を過ぎ、若い頃のように成果や評価を追い続け、「人にどう思われるか」に神経をすり減らす、生きづらい日々は、そろそろ卒業したい……と思うようになったそうです。
とはいえ、これからの人生で、「褒められる」以外に、自分の心を満たすものとは? 「評価されなくてもいい」と肩の力を抜くことで、人生の楽しみはむしろ広がる――。そう語る一田さんのエッセイを2回にわたって掲載します(本記事は『褒められなくても、生きられるようになりましょう』より一部を抜粋したものです)。

「ひっくり返らない価値はない」と知っておく

2025年に放送された朝ドラ『あんぱん』は「決してひっくり返らない正義」を見つけるまでの、やなせたかしさんをモデルにした柳井嵩と、妻・のぶの物語でした。

のぶさんは、戦時中に小学校の教員を務め、子どもたちに「お国の役に立ちましょう」と教えました。戦争が終わったあと、「私は間違えていた」と教員を辞めます。

嵩さんは戦争に行き、何も食べるものがない中で、「飢え」のつらさを思い知り、戦って勝つヒーローではなく、お腹がすいた人に自分の顔を分け与える『アンパンマン』を描きました。

「これが正義」と信じ込むと、「それ以外」が見えなくなります。この『あんぱん』ほど大きな「逆転」ではなくても、私たちの身の回りには、信じていたことが、他人から見れば実は大したことがなかった……ということが多々あります。

次ページ打ち上げ花火のように一瞬で散っていく
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事