アメリカ民主党が「労働者」から見限られた決定的な瞬間 トランプ台頭を招いたオバマの「庶民を見捨てた」決定的失策とは
さらに、共和党の大統領候補であったミット・ロムニーが率いていた投資会社ベイン・キャピタルが、工場を閉鎖し雇用を海外に移転させたことを執拗に攻撃した。
ロムニーが裕福な支援者との会合で「大統領にどんな状況でも投票する47%の人々がいる。彼らは政府に依存し、自らを被害者と考えている」と発言した映像が流出すると、オバマ陣営はこれを最大限に利用し、ロムニーを「労働者を冷酷に見捨てたエリート」として徹底的に批判した。
この「貪欲な一部の者」によって被害を受けた「無実の被害者」の味方として振る舞うポピュリスト的な戦略は功を奏し、オバマは中西部の工業地帯で白人労働者層の支持を一定程度取り戻し、再選を果たすことができた。
失意と不信が招いた破局へのカウントダウン
しかし、2012年の成功から得た教訓は、その後の民主党には引き継がれなかった。第2期に入ると、オバマ政権は再びエリート主導の政策や文化的な急進主義への傾斜を強め、労働組合の保護や労働者階級の構造的な不満の解消には無関心な態度をとり続けた。
労働組合の衰退を放置し、ウィスコンシン州などで進行した露骨な「労働組合潰し」に対してもオバマはほとんど関与しなかった。
中国との不公正な貿易やグローバリゼーションによる製造業の空洞化も止まらず、オバマ政権下で所得格差は1928年以来の高水準に達した。
オバマの8年間を通じて、民主党は「エリートと高学歴者のための政党」というイメージを完全に定着させてしまった。
オバマ個人の人気は退任時まで高かったものの、彼が去った後の民主党には、労働者階級の深い絶望と不信だけが残された。
そして、この埋めがたい「大分断」の溝こそが、2016年のドナルド・トランプによる歴史的な番狂わせを準備する、最良の土壌となってしまったのである。
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