共同親権下の「子連れ別居」 "避難かそれ以外か"判断を分ける「急迫の事情」 子どもの負担も考えて欲しいケースも…

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池田清貴弁護士著『離婚と子どもをめぐる令和6年家族法改正のキーポイント』
池田清貴弁護士著『離婚と子どもをめぐる令和6年家族法改正のキーポイント』。改正内容について細やかに説明されている

「子どもの権利条約」という、18歳未満の子どもを守られる対象であるだけでなく、「権利をもつ主体」であることを明確にした国際法があります。1989年に国連で採択され、日本は1994年に批准しました。池田弁護士によれば、その条約の「子どもの権利」は、日本の民法の「子どもの利益」を考える際にも大きな影響を持つそうです。

たとえば、「子どもの権利条約」では、第9条で「児童が父母から分離されない」「別居している場合も定期的に別居親に会える権利を尊重する」ことが記されています。しかし、これらは虐待など子どもにとって不利益となる条件があるときは例外とされます。同じように、日本の民法でも、マンガに描いたような事情がある場合は、その子連れ別居は「急迫の事情による避難」として扱われます。その後の面会交流も「子どもの利益」を総合的に判断していく形となるそうです。

なるべく子どもの負担が少ない方法を選びたい

子連れ別居における「急迫」の見極めは非常に重要ですが、その見極め自体が非常に難しいと筆者は感じました。だからこそ、周囲が片方の意見だけを鵜呑みにして対立を煽らないことも大切ではないでしょうか。それは、「急迫の事情による避難」で子連れ別居をした親が「連れ去り」と誤った非難をされることにもつながってしまうからです。

また、筆者が話した子連れ別居経験者で、その後の泥沼化が最小限に抑えられた複数の人からは「衝動的に家を出るのではなく子どもの負担が最小限になるタイミングで別居した」「合意はできなかったけど別居の予定は伝えた」「引越し先を伝えた」「今後話し合う意思があることを伝えた」「子どもが転校・転園しないで済むよう同じ学区内で引越しをした」という話を聞きました。もちろん接触のリスクが大きい場合には上記は難しいのですが、家庭の状況に合わせて、なるべく影響が少ない方法を選ぶことも大事ということでしょう。

最後に、DVや虐待被害者のための主な支援や制度を以下に紹介します。

緊急時の通報…警察(110)
相談…警察(#9110)、配偶者暴力相談支援センター(#8008)、児童相談所(189)、子ども家庭支援センター(自治体の窓口・電話)、女性相談支援センター(自治体の窓口・電話・LINEチャット)
避難施設…DVシェルター(少ないが男性用もある)
法的保護制度…支援措置(加害者に住所を知られないようにする・自治体に申請)、保護命令(接近禁止命令や退去命令・家裁に申請)

次回は、「離婚とお金」について引き続き池田弁護士に伺います。

ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)『ワンオペ育児モヤモヤ脱出ガイド』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

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