大事な場面で落ち着こうとするほどカタくなる…「本番に弱い人」が知らぬ間に陥るジレンマの正体

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

消そうとしたり、否定しようとしたりする前に、ひとつ立ち止まってみてください。

今、自分の注意がどこに向かっているのか。その位置関係を、静かに眺めてみるだけで十分です。結果や評価が浮かんでくること自体を、問題にする必要はありません。

体の反応も、感情の揺れも、注意の向きによって変わります。結果や評価そのものが、感情や反応を直接つくっているわけではありません。問題は、そこに注意がとどまり続けることにあります。

何度も繰り返してきたはずの動作も「不自然」に

たとえば卒業式で、多くの人に見られながら壇上を歩く場面を想像してみてください。ふと自分の足の運びや姿勢に注意が向いた瞬間、急に歩き方がぎこちなくなることがあります。

何度も繰り返してきたはずの「歩く」という動作でさえ、注意の向きが変わるだけで、不自然になってしまうのです。

行動が自然に機能しているとき、動作の細部を1つひとつ意識してはいません。次に何をするかを考えなくても、状況に応じて身体が反応していく状態です。

ところが、動きの細部や手順に注意が向いた瞬間、そのひとまとまりだった動作は分解されます。

手の振り方、足の運び方、姿勢の角度。そうした1つひとつが注意の対象になったとき、動きの連動は途切れてしまいます。これが「内的集中」と呼ばれる注意の向き方です。

ここでいう「内的」とは、感情のことではありません。動きの中身そのものに入り込み、身体を内側から手順に沿って操作しようとしている状態のことです。

この現象は、先ほど見てきた「管理者モード」と近い関係にあります。

管理者モードは、「うまくできているか」「失敗していないか」と出来栄えを確認する姿勢です。その確認が強まると、注意は内側に入りやすくなり、動きの細部へと向かっていきます。

しかし、内的集中は管理者モードの結果としてだけ起きるわけではありません。

次ページかえって動きが分断されてしまうことも
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事