大事な場面で落ち着こうとするほどカタくなる…「本番に弱い人」が知らぬ間に陥るジレンマの正体

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実際にはまだ何も始まっていないのに、注意だけが、その「先」へ引っ張られていく。そんな感覚です。

スポーツであれば、結果や評価。仕事であれば、上司や取引先の判断。他者の視線や期待、比較の中で「自分がどう見られるか」という感覚も同じといえるでしょう。

これらは場面こそ違えど、どれも共通点があります。すべて、今この瞬間の出来事そのものではない、という点です。これは、本番が近づくほど多くの人に起きる、ごく自然な反応です。

それでも、結果や評価は私たちの注意を強く引きつけます。なぜでしょうか。それは、結果や評価、失敗が「このあとどう生きるか」に影響し得る情報だからです。

人は無意識のうちに、「今の行動が、この先にどうつながるのか」を確かめながら動いています。結果や評価は、その行動の意味や、この先の自分の扱われ方を大きく左右するものとして受け取られやすいのです。

ここで整理しておきたいのは、これは意志や感情の問題ではなく、情報の性質の話だという点です。

うまくいくのか、失敗に終わるのか、評価されるのかどうか。そうした、人が生きていくうえで影響の大きい情報に注意を向けてしまうのは、ごく自然なことなのです。

考えないように意識するほど頭から離れなくなる

ただ、そのとき注意は、目の前の行動からは少しずつ離れていきます。

「うまくやれているだろうか」「失敗したらどうなるだろうか」といった確認が始まり、注意は内側と外側を行き来するようになります。これを私は「管理者モード」と呼んでいます。

ここで陥りやすいのが、「考えないようにしよう」「気にしないようにしよう」とする反応です。しかし、結果や評価を頭から追い出そうとすると、かえって存在感が増してしまうことがあります。

さらに、結果や評価は、もともと注意を強く引き寄せやすい性質を持った情報でもあります。だからこそ本番では、考えないように意識すればするほど、頭から離れにくくなってしまうのです。

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