10万円「MacBook Neo」エントリーでもカラーを妥協しない理由とは? iPhoneのチップ採用で実現した"学生向け入り口戦略"の狙い
アップルはコスト削減に積極的な企業だ。他社はキーボードのサイズやデザインを製品ごとに変えるが、アップルは統一する。16インチのMacBook Proでも14インチのMacBook Proでもキーのパーツは同じ。色も同じだ。iMacはカラバリを重視するが、色を変えるのはキーの下のアルミ部分であり、キー自体は同じ「白」になっている。
ボディ素材にしても、一部をプラスチックにすればパーツ単価は下がるし、重量も減るかもしれない。低価格製品ではよくある構成だ。しかし、他のアップル製品と同じ再生アルミを全体に使い、質感を維持している。
要は製造工程と素材を統一することで、製品単位ではなく自社製品全体でのコスト・リサイクル率コントロールを重視するのがアップルの基本的な戦略である。
そんなアップルが、MacBook Neoでは専用部品を増やしてまで、徹底してカラーの統一を図ったのは、それだけ、この製品では「徹底が重要」と考えた、ということだ。
学生向けの格安モデルを「アップルファンの入り口に」
MacBook Neoは、日本円だと10万円弱。「まあまあ安いノートPC」という印象かもしれない。
だがアメリカだと599ドル。学生と教育機関向けには499ドルになる。円安の影響で高く見えるが、アメリカ市場の相場観で言えば、「学生なら5万円で買えるMac」というイメージに近い。
低価格な製品は学生向けに重要だが、その市場は近年、GoogleのOSを採用した「Chromebook」が広がっている。それらとの競合を考えた時、MacBook Airよりもさらに安い製品は必要だった。
キーのタイプ感やディスプレイの品質、音質などはこのクラスとしては上質なものだ。性能も「速くはないし、プロ向けの作業には向かないが十分」というレベル。低価格機種としては良好、と言っていい。
その上でさらに「デザインやカラーは妥協しない」とアップルは決めたのだろう。「初めて持つ自分のPC」は特別なもの。だからこそ、若者層に好感を持たれるデザインの徹底は、彼らの思い入れを加速する。ここでMacBook Neoを選んでもらえばスマホとしてiPhoneを選ぶ可能性は高まるし、スマートウォッチはApple Watch……ということになる。




















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