10万円「MacBook Neo」エントリーでもカラーを妥協しない理由とは? iPhoneのチップ採用で実現した"学生向け入り口戦略"の狙い

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iPhoneの方でも、低価格でカラバリ重視の「iPhone 17e」が出たところだ。そちらを入り口にMacBook Neoを選ぶパターンもあるだろう。

この2つの連携は、まさにアップルにとって最重要な「入り口戦略」なのである。

iPhoneのプロセッサーでMacを作って安価に

ただ、安くするには相応の工夫が必要になる。

中でも大きいのが「iPhone用のプロセッサーでMacを作った」ことだ。

MacBook Neoに使われているのは、2024年発売の「iPhone 16 Pro」に使われた「A18 Pro」というプロセッサー。メインメモリーも、他のMacでは16GBあるのに対し、半分の8GBしかない。プロセッサーの規模が小さく、メモリーも半分しか搭載していないので、プロセッサーに関わるコストを大幅に削減できるのだ。

このため、性能は最新のMacBook Airに比べるとかなり低い。以下はベンチマークソフトでのテスト結果だが、M5版MacBook AirとMacBook Neoでは、2倍を大きく超える差が生まれる。倍の価格だが性能が倍以上違う、と考えると、実はMacBook Airのコストパフォーマンスが非常に良い……という見方もできるのだ。

Geekbench 6でのCPUテストの結果
Geekbench 6でのCPUテストの結果。赤枠内がMacBook Neo(図:筆者作成)
Geekbench 6でのGPUテストの結果
Geekbench 6でのGPUテストの結果。赤枠内がMacBook Neo(図:筆者作成)

だが、A18 Proは2020年に登場した初代Appleシリコンである「M1」よりは性能が高い。6年前の製品とはいえ、M1版MacBook AirやMacBook Proは「十分な性能があってなかなか買い替えられない」と言われるほど評判のいい製品だった。

MacBook Neoはそれらと同等以上の性能だと考えると、実用性は十分にあるのがわかるだろう。アップルも、iPhone向けプロセッサーだが「Mac用アプリの互換性は100%」としている。

問題はメモリーが8GBであることだ。

10も20もウェブをタブで開き、多数のアプリを併用していると動作の重さを感じる。また、複雑な動画編集や本格的なCAD、ソフト開発には向かない。ちょっとした動画のカット編集や写真の加工なら問題ない。それでも、日常的に仕事で使うなら、倍の値段でも待ち時間が数分の1になるMacBook Airを選ぶべきだ。

8GBのメインメモリーだと、数年後にはOSが求める機能には不足する可能性もある。できるだけ長く使いたいなら、同様にMacBook Airを選ぶべきである。

ただ、若い層にとっては「高くて買えない」よりも、「多少遅くてもなんでもできる」Macの方に価値がある。そのことは、家庭でPCを使う大人にとっても同様かもしれない。

その中で「遅すぎて不快」ということはなく、最新のゲームも相応に動き、デザインが良い……というバランスは、いいところを突いているのではないかと感じる。

西田 宗千佳 フリージャーナリスト

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にしだ むねちか / Munechika Nishida

得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、『アエラ』『週刊朝日』『週刊現代』『週刊東洋経済』『プレジデント』朝日新聞デジタル、AV WatchASCIIi.jpなどに寄稿するほか、テレビ番組・雑誌などの監修も手がける。著書に『ソニーとアップル』(朝日新聞出版)、『漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち』(講談社)、『スマートテレビ スマートフォン、タブレットの次の戦場』(アスキー新書)、『形なきモノを売る時代 タブレット・スマートフォンが変える勝ち組、負け組 』『電子書籍革命の真実 未来の本 本のミライ』『iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏』(すべてエンターブレイン)、『リアルタイムレポート・デジタル教科書のゆくえ』(TAC出版)、『知らないとヤバイ! クラウドとプラットフォームでいま何が起きているのか?』(共著、徳間書店)、『災害時 ケータイ&ネット活用BOOK 「つながらない!」とき、どうするか?』(共著、朝日新聞出版)などがある。

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