〈再び揺れる盟主〉「小学館マンガワン問題」で広がる波紋 性加害の漫画家を別名で再起用…メディア業界特有の課題も一因か
出版業界の盟主が、またも重い問題に揺れている。
小学館の漫画アプリ「マンガワン」編集部は2月27日、同アプリ上で作品を連載していた漫画家男性の性加害を把握しながら、ペンネームを変えて新連載の原作者として起用していたことを公表した。
マンガワンで『堕天作戦』を連載していた山本章一(本名・栗田和明)氏は2020年、自身が講師を務めていた北海道内の高校に通う生徒の女性を被写体とした児童買春・ポルノ禁止法違反の罪で逮捕・略式起訴され、罰金刑を受けた。22年には被害者女性が高校1年生のときから性加害を行っていたとして提訴され、札幌地方裁判所は今年2月20日、男性に対して1100万円の賠償命令を下した。
判決後に編集部が会社側に初報告
判決が報道されて以降、SNS上では被告の人物特定や、編集者が和解協議に関与していた疑惑などをめぐって情報が錯綜。炎上騒ぎが広がる中、2月25日にマンガワン編集部は会社に対し、山本氏が別のペンネームで約3年前から新たな連載を再開していたことを初めて報告した。そして、2月27日にマンガワン編集部から冒頭の事実と、和解協議に編集者が加わっていたことが明かされた。
翌28日には小学館もプレスリリースを出し、山本氏の新連載における起用判断などに重大な瑕疵(かし)があったことを認めた。「会社として管理監督責任を問われる重大な事案であり、人権・コンプライアンス意識の欠如があったと認識しております」(小学館)。
小学館は目先の対応として、新連載のデジタル配信と単行本出荷を停止。別のマンガワン作品でも原作者起用のプロセスなどに調査が必要であることがわかり、詳細な経緯の確認や再発防止策の策定に向け、第三者委員会を設置する方針を決めた。
小学館をめぐる事件といえば、記憶に新しいのが『セクシー田中さん』問題だ。
24年1月に小学館の女性向け漫画雑誌で連載中だった同作品の作者・芦原妃名子氏が、日本テレビ放送網によるドラマ化をめぐるトラブルの末に命を絶った。その後、小学館は社内の特別調査委員会がまとめた調査報告書を公表したが、日テレ側の調査報告書と認識が食い違う点が多く、真相はやぶの中となった。



















