「また失敗か」「資金が尽きる前にやめたほうが…」の声も…日本初の民間ロケット「カイロス」が、"3連続失敗"も諦めないワケ
カイロスのAFTSは2系統で冗長化されているが、片方でも異常と判断すれば飛行中断するルールになっているため、1系統の誤動作でも機体破壊につながった可能性がある。
モーターの燃焼などの状態には異常を示すデータはなかったといい、いわば安全装置の誤動作で健全な機体を止めてしまったという、なんとも残念な可能性が示された。
“3連続失敗”は「もうダメ」なのか
カイロスはこれで連続3回、軌道に到達することなく搭載衛星を喪失したことになる。重い結果だが、これを「絶望的」とまで考える必要はないだろう。世界の小型ロケットには開発が難航した後に成功をつかんだ例も珍しくないからだ。
代表的な例では、イーロン・マスク氏が率いるスペースXも、最初に手がけた小型ロケット「ファルコン1」の開発で3回連続して失敗している。資金が尽きかけた4回目の挑戦でようやく衛星の軌道投入に成功した。
ニュージランド出身の独立系エンジニアが設立したロケットラボの小型ロケット「エレクトロン」は試験機では失敗したが、その後連続して衛星の打ち上げを成功させた。しかし、安定して運用できると期待された後に何度か失敗して衛星を喪失している。
このようなケースもあるので、「何回連続して成功したからもう大丈夫」という判断はしにくい。衛星を預ける事業者からすればかえって難しい判断を迫られるとも言える。
しかしロケットラボは10年足らずで80回以上の打ち上げを実施し、日本のシンスペクティブ、QPS研究所とも複数の打ち上げ契約を結ぶなど、世界の衛星企業の信頼を獲得している。
ロケットエンジンという制御の難しい物理現象を扱う小型ロケットの開発には、失敗のリスクがつきものだ。
リスクをどう扱うのかという思想の1つとして、NASAでは「高リスクを承知で、新しい技術に挑戦する」という独自の小型ロケット育成制度が存在する。「VCLS(ベンチャー級打ち上げサービス)」だ。





















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