原油価格が1バレル=110ドルを突破、中東情勢の緊迫化で主要産油国が相次いで生産を抑制

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原油価格が1バレル=110ドルを突破した。中東情勢の緊迫化で主要産油国が相次いで生産を抑制し、重要な海上輸送路が事実上閉鎖となる中、米国は紛争の一段の拡大を示唆している。

北海ブレント原油は取引開始直後に一時20%高の1バレル=111.04ドルまで上昇。米ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物も一時22%急伸した。ホルムズ海峡が事実上閉鎖され、貯蔵施設が限界に近づく中、アラブ首長国連邦(UAE)とクウェートは減産を開始。イラクも先週、生産停止に着手した。

一方で金は下落。取引序盤に1オンス=5150ドル近辺で推移している。前週には約1カ月ぶりとなる週間の下げを記録していた。

米国とイスラエルによるイラン攻撃以降、中東での戦争は収束の兆しを見せていない。ホルムズ海峡を通過する船舶の停止やエネルギーインフラへの攻撃を受け、原油や天然ガス価格は上昇している。

イランは、攻撃で殺害されたイランの最高指導者、ハメネイ師の後継者として、息子のモジタバ師を選出。イランの革命防衛隊(IRGC)は新最高指導者への全面的な忠誠を誓うと表明した。また米紙ニューヨーク・タイムズは、米国務省がサウジアラビアに駐在する米国人職員と外交官に出国を命じたと報じた。

リポウ・オイル・アソシエーツのアンディ・リポウ社長は「心理的節目である100ドルは、紛争が長期化し、タンカーが積み込みできず、貯蔵施設が満杯となることで原油生産が抑制される中、より高い水準に向かう過程の短期的な目標に過ぎない可能性がある」と述べた。

紛争はインフレ危機への懸念を強めている。米国の小売りガソリン価格は24年8月以来の高水準に達し、年後半に中間選挙を控えるトランプ氏と共和党にとって大きな試練となっている。

それでもトランプ氏は戦争遂行を進めている。7日には、これまで攻撃対象としてこなかったイラン国内の地域や集団についても、攻撃を検討すると表明した。

週末には、新たな主要エネルギーインフラも脅威にさらされた。サウジアラビアは日量100万バレル規模のシャイバ油田に向かっていた無人機(ドローン)を迎撃した。同国は先週、国内最大のラスタヌラ製油所の操業停止を余儀なくされ、ホルムズ海峡の事実上閉鎖を受けて紅海沿岸の港湾からの輸出に原油を振り向けることを模索している。

エネルギー価格の上昇は市場全体に波及している。中国政府は国内石油精製大手に対し、ガソリンと軽油の輸出を停止するよう指示。韓国は30年ぶりとなる原油価格上限の導入を検討している。

著者:Bloomberg News

ブルームバーグ
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