ラン活疲れを癒やすモンベル「1万円台ランドセル」の正体 自治体の無償配布が変えた"通学カバン"の常識

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2018年の取材でも「ラン活」に触れていたので紹介したい。「10年ほど前まで(2008年頃)、ランドセルの購買需要は入学3カ月前の年明けから動き出すのが普通でした。2013年頃から前年の8月頃に早まり、現在は入学1年前の4月からとなっています。それに合わせて製作スケジュールを前倒ししているのです」という説明だった。

少子化で児童数が減る中、新入学の機会にお気に入りのランドセルを買ってあげたいという保護者(主に両親や双方の祖父母)の思いもあり、児童本人の希望もある。メーカーもそうした需要に合わせて取り組んでいるのだ。

工房系ブランドのランドセル(2018年、筆者撮影)

ランドセルの再活用も

だが、両親や双方の祖父母が揃う家庭ばかりではない。近年はシングルマザーの子育て世帯も多く、もともとランドセル文化になじみがない外国人の世帯も増えた。

こうした実情に対応した事例もあり、例えば鳥取県で地域密着サービスに取り組む会社は、自治体と連携して2020年から「ランドセルの再活用」を2025年まで行った。

子どもが卒業して使わなくなった「家庭に眠るランドセル」を回収し、必要としている人に渡して使ってもらう取り組みだ。スタッフがメンテナンスをし、寄贈者からのメッセージタグも付けて配布していた。

自治体の取り組みも企業の取り組みも「社会課題の解決」を目指したものだ。

「導入前は『ランドセル以外のリュックを背負う子どもが何か言われるのでは』という懸念の声も上がりましたが、現在、そうした声は聞こえてきません」(モンベルの宮畑氏)

小学校入学での必需品には体操服や上履き、文房具などもある。通学用のバッグに何を持つかを選べるのなら「ランドセル機能を備えたバッグ」は多様化時代の選択肢のひとつだろう。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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