関西でおなじみ「アラ!」の会社が貫く「ブレない」経営哲学《小さな弁当店も老舗も原料の未来も》「大切なもの」を守り抜く

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もちろん、すべてが成功するわけではない。思い通りにならないことの方が多いという。それでも挑戦を続ける理由について、田中社長はこう語る。

「千三(せんみつ)と言いますけども、新商品をどんどん出して、一生懸命売りなさいと。その中で1000個のうち3つでも残ればいいじゃないかと」

かつて理解されなかった「アラ!」が、今では同社の象徴となっているように。挑戦を許容する文化こそが、ブンセンの持続的な成長を支えているのである。

挑戦を後押しする、個人を尊重する企業風土

インタビューを終えて外に出ると、工場からふわりと醤油の香ばしい香りが鼻をかすめる。田中社長と髙島さんは、そのまま敷地内を案内してくれた。

「社用車やフォークリフトには、1台1台に名前がついてるんですよ。この自転車は『ひかり』。『こだま』と『のぞみ』もどこかにあります」

真っ赤な社用車
真っ赤な社用車には、1台1台に動物の名前が施されている。どんな小さなことも楽しもうという気概を感じる(写真:筆者撮影)
ブンセン事務所専用自転車「ひかり」号
ブンセン事務所専用自転車「ひかり」号。もちろん「こだま」も「のぞみ」もあるそうだ(写真:筆者撮影)

そう言って笑う二人の表情は、少年のような無邪気さを感じた。田中社長が、すれ違う社員一人ひとりに自然に声をかける姿も印象に残った。

野村佃煮のM&Aでは全従業員と向き合い、陸上養殖では研究者や現場と信頼関係を築く。会社では職種を問わず社員の「やってみたい」を後押しする。その根底にある考えについて、田中社長はインタビューの冒頭でこう語っていた。

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