今年30周年でも「なぜ飽きない?」 累計IP総収益22兆円、世界最大IP《ポケットモンスター》を支えた、「顔の力」という戦略
さらに注目すべきは、ポケモン社の純利益率の高さだ。25年2月期の売上高4109億円に対して営業利益率は約25%に達する。
これは、顔の信頼性が「広告費をかけずに売れる力」に直結していることを数字で証明している。見た目の力が正しく機能するとき、マーケティングコストは下がり、利益率は上がるのだ。
ポケモンが「世界を制した」のは偶然ではない
これはポケモンという巨大IPだけの話ではない。ビジネスパーソンが日々携わっている商品・サービス・ブランドにも、同じ原理は働いている。
消費者行動研究の知見によれば、私たちは商品パッケージを見るとき、人の顔を認識するときと同じ脳の回路を使っている。商品の「顔」(パッケージ・ロゴ・キャラクター)が消費者の脳に与える印象は、初対面の人間への印象形成と驚くほど似た構造を持つ。
では、なぜ多くの商品の「顔」は記憶されないのか。
最大の原因は「一貫性の欠如」だ。リニューアルのたびに顔を変え、脳への蓄積がリセットされる。価格競争に巻き込まれ、「安さ」を顔で訴えてしまう。「信頼性」と「支配性」のどちらを訴求したいのかが定まらず、顔に一貫したメッセージがない。
ポケモンが「世界を制した」のは偶然ではない。脳科学・消費者心理・マーケティング理論のすべてが一致した結果だ。あなたの商品の「顔」は、30年後も愛されているだろうか。
※1:Kanwisher, N., J. McDermott & M. M. Chun (1997) The fusiform face area: A module in human extrastriate cortex specialized for face perception, Journal of Neuroscience, 17(11), 4302-4311.
※2:Kühn, S., T. R. Brick, B. C. N. Müller & J. Gallinat (2014) Is This Car Looking at You? How Anthropomorphism Predicts Fusiform Face Area Activation when Seeing Cars, PLOS ONE, 9(12), e113885.
※3:Todorov, A., A. N. Mandisodza, A. Goren & C. C. Hall (2005) Inferences of competence from faces predict election outcomes, Science, 308(5728), 1623-1626.
※4:Willis, J. & A. Todorov (2006) First impressions: Making up your mind after a 100-ms exposure to a face, Psychological Science, 17(7), 592-598.
※5:Jenkins, R., A. J. Dowsett & A. M. Burton (2018) How many faces do people know? Proceedings of the Royal Society B, 285(1888). https://doi.org/10.1098/rspb.2018.1319 (accessed 2026-02-25).
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