「10万円以上の高値で取引」「あの子は価値が低いのばかり出してくると陰口」平成と様相が異なる…過熱しすぎた令和のシール交換の闇

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さらに深刻なのが、正規品かどうかをめぐるトラブル。レア度の高いシールは、ネット上で類似品や非正規品が多数出回っている。中にはもちろん、公式キャラクターの著作権を侵害しているものもある。

まだ法への理解が乏しい子どもがそれを知らずに購入してしまうと、交換後に「これ本物じゃないんじゃない?」と問題になることがある。本人に悪意があったかどうかは関係なく、「偽物を渡した」「騙した」と非難され、最終的には「詐欺師」呼ばわりされてしまうこともあるという。

「返してほしい」「不当に取られた」と保護者が介入

当然ながら、こうしたトラブルは子ども同士で収まらないことも多い。高価とされるシールをめぐり、「返してほしい」「不当に取られた」と保護者が介入するケースも珍しくないそうだ。

話し合いがこじれ、弁償や金銭補償の話に発展する事例もSNSやニュースで報告されている。わずか数センチ四方のシールが、家庭間の対立の火種になる? そう聞くと大げさに思えるかもしれないが、実際に起きている現象なのだから驚きだ。

つまり現代のシール交換は、友情・信用・価値判断・交渉力といった、さまざまな要素が複雑に絡み合う、小さな社会の縮図になっているともいえる。そこには子どもたちの純粋な感情だけでなく、所有権や公平性といった“大人の世界の論理”まで持ち込まれてしまう。

なぜ令和のシール交換は、ここまで過熱してしまったのだろうか。

令和のシール交換は、単なる「かわいい文具の流行」として片づけるには、熱量があまりにも高すぎる。その背景には、大きく分けて4つの要因が複雑に重なり合っているように見える。

続く後編では、この「シール交換の過熱」を紐解くカギとなる、情報戦の複雑化や大人の関与といった諸要因を分析する。

【後編】「親も一緒になってシール収集→子ども同士の優劣意識を刺激」…『ボンドロ』登場で市場原理持ち込まれた「令和のシール交換」の憂鬱 では、令和のシール交換がここまで過熱している4つの理由を、ライターの杉井亜希さんが詳しくレポートしている。
杉井 亜希 フリーランスライター/イラストレーター

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すぎい あき / Aki Sugii

1989年東京下町生まれ。法政大学卒業後、一般企業に勤めるも自身の創作意欲を払拭できず見切り発車で2016年に独立。現在は大手美容メディアや生活情報メディアを中心とした執筆・編集業務に携わり、女性誌や児童書などでのイラスト制作も手がける。やわらかで読みやすい文章制作が得意。2018年、2022年生まれの子を持つ2児の母で愛犬家。

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