「寮の排水溝が油で詰まった…」 中国人実習生との"絶望的ギャップ"を乗り越え過去最高の売上高を生み出した町工場のリアル
加えて、千壽さんは「若い頃に違う国籍の人と一緒に仕事をすることで、多角的な物の見方が身に付き、スキルを超えた財産になると思います」と、異文化交流の教育効果を強調する。
ここ数年の人的資本経営におけるキーワードの1つ、「ダイバーシティー&インクルージョン(D&I)」。ただ、教科書的に「異文化を認め合い、真の共生を目指そう」と言ってもどこか他人事に聞こえてしまうきらいがある。
しかし、ナニワの長年にわたる中国人技能実習生受け入れの軌跡には、手ざわり感のあるD&Iの「リアル」がにじみ出ている。美辞麗句やスローガンで終わらせない異文化共生を彼らは本気で実践し、組織の成長へとつなげているのだ。
ナニワの「10年余」が示す異文化共生の指針
観光地で中国人観光客が信号を無視して道路を渡ったり、行列を無視したりするさまを目の当たりにして、眉をひそめたことがある人はいるだろう。恥ずかしながら、筆者もその1人だ。
しかし、私たちは「知らない」だけなのだ。彼らと私たちで、生まれ育った環境と培ってきた価値観がまったく異なる、ということを。
「彼らが日本の文化や言葉を一生懸命学んでいるのだから、こちらも歩み寄って彼らのことを理解しなければいけない。そう彼らに気づかされてから、語学学習アプリを使った中国語の勉強を始めて600日が過ぎました」
この杉本さんの言葉は、異文化を受け入れ、共生するうえで、当たり前だけど見過ごされがちなことを示唆している。
彼らの背景にある生活習慣や文化を理解し、歩み寄る――。言葉にすると、至って月並みだ。「何を生ぬるいことを……」と嫌悪感を抱く人もいるかもしれない。でも、外交の世界はともかく、グラスルーツの交流で求められるのは、ただその1点にほかならない。
ナニワの10年余りに及ぶ技能実習生受け入れの努力の軌跡が、何よりそれを物語っている。そして、その心がけは誰でもできるはずだ。
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