アメリカ民主党「筋金入り左派」が「リベラル」を徹底批判する理由 「中間層・労働者」をトランプ支持へと突き動かした「失敗の本質」

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そんな有り様なのだから、民主党への支持率が下がるのは当然だ。

それについても、支持率が下がっているのは白人労働者階級だけだろうといった誤解というか、希望的観測が日本の知識社会にはつい2、3年前まであった。

そうではない。本書では中間選挙での投票の数値で2018年と22年を比較しているが、共和党は白人労働者の投票で民主党に対して優位性を20ポイントから35ポイントまで広げた。15ポイント増となったわけだ。

並行して、中南米系・黒人・アジア系などを合わせた「非白人」労働者で民主党が持っていた優位性が23ポイントも減少している(第7章)。24年大統領選でもこの傾向は続いている。

つまり、トランプ現象は白人労働者の人種差別意識が引き起こしているという(日本の知識社会で特に顕著な)見方は、実態とずれている。

あらゆる人種にわたって労働者階級はトランプと共和党を支持する方向に動いている。

メディアを含めた知識社会の怠慢

トランプ現象についてだけでなく、日本のアメリカ理解は危うい。

繰り返すようだが、その理由はメディアを含めた知識社会の怠慢にある。本書翻訳出版が、根拠薄弱な民主党讃美に終止符を打ち、トランプ現象も含めて正しくアメリカの将来を見通していく助けになることを願っている。

会田 弘継 ジャーナリスト・思想史家

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あいだ・ひろつぐ / Hirotsugu Aida

1951年生まれ。東京外国語大学英米語科卒業。共同通信社ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。その後、青山学院大学教授、関西大学客員教授を務め現在に至る。著書に『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)など。訳書にフランシス・フクヤマ『政治の衰退』(講談社)など。

 

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