最短で答えを求めない「スルーしない人生」の正解――効率を求めがちな社会で、あえて「問い続ける」人がつかむ"運"と"得"

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ものでも人でも、あるいは考えでも。普段目に留まらないものにあえて着目して、問いを投げかけてみる。それだけで自分の中に新しい何かが起こります。

仕事からの帰り道でも、あるいは家の中のどこかでも、普段と違うところへの着目がポイントです。普段と比べることで、「あれ、こんなのあったかな?」と思うことが大事で、そのささやかなクエスチョンマークが、問い、そして新たな出会いにつながるのです。

「考える」は「環返る」

私の場合、自分の本棚をぼけーっと見ているときにそれが起こります。

特定の本を探しているときには見逃している本に目がいくからです。持っていることさえすっかり忘れていた本に気づくと、その本を買った当時のことを思い出したり、改めて刺激を受けたりします。その意味では偶然の再会に近いかもしれません。

『なぜ、何も思いつかないのか?―自分の頭で考える力がつく「問い」の技術』
『なぜ、何も思いつかないのか?―自分の頭で考える力がつく「問い」の技術』(ワニブックス)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

みなさんもぜひ、普段目を向けないものに目を留めることを意識してみてください。たとえばこんなこと。

・いつもと違う帰り道を選ぶ

・家の本棚を眺める

・初めての店に入る

これは普段の生活の中でできることですから、ぜひやってみてくださいね。

私は、考えるという言葉にあえて「環返る(かんがえる)」という字を当てて、スルーしない生き方をすすめています。「環返る」とは、回るという意味の「環」と振り返るという意味の「返」をくっつけたものです。

つまり、気になったものについては、さまざまな角度から捉えるために、徹底的にそのまわりをぐるぐる回ってみる。そしてそのときは忙しくて通り過ぎても、後で必ず立ち返って考える。この世界にあふれるおもしろいものをちゃんと捉えて、問い、考えられるように、「環返る」をぜひ実践してもらいたいのです。

そうすることで、問い、考える習慣が身につくでしょう。

小川 仁志 哲学者、山口大学国際総合科学部教授

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おがわ ひとし / Hitoshi Ogawa

1970年、京都府生まれ。京都大学法学部卒、名古屋市立大学大学院博士後 期課程修了。専門は公共哲学。商社マン(伊藤忠商事)、フリーター、公務員(名古屋市役所)という異色の経歴を持つ。徳山工業高等専門学校准教授、米プリンストン大学客員研究員等を経て現職。大学で新しいグローバル教育を牽引する傍ら、「哲学カフェ」を主宰するなど、市民のための哲学を実践している。また、テレビをはじめ各種メディアにて哲学の普及にも努めている。NHK・Eテレ「ロッチと子羊」では指南役を務める。
『手塚治虫マンガを哲学する 強く生きるための言葉』(リベラル社)や『ざっくりわかる8コマ哲学』 (朝日新聞出版)など、100冊以上出版している。

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