20・30代の本音が示す「オフィス回帰」の落とし穴 「新しい働き方」に不可欠なオフィス環境とは

「出社=コミュニケーション活性化」とは限らない!?
オフィス回帰が急加速している。ロジクールが2025年6月に20~30代の会社員400名を対象に実施した意識調査(調査協力:クロス・マーケティング)によれば、毎日出社しているビジネスパーソンは62%に上った。
一方で、ビジネスパーソンの「リモート志向」は逆に高まっている。「リモートワーク(ハイブリッドワーク)を今後も続けたい」と回答したビジネスパーソンは、2023年調査では53.8%だったが、2025年調査では58.8%へと上昇した。

企業は出社を促しているのに、働く側はリモートを望む――。企業と従業員の意識のギャップが広がる理由は何か。解き明かすカギとなりそうなのが、コミュニケーションに関する同調査の回答だ。「出社時のほうがほかのメンバーに気軽に質問・相談できる」は50.3%、「出社時のほうが社内の一体感や連携を感じる」は45.8%だった。
オフィス出社を義務づける企業は、それによってコミュニケーションを活性化させ、一体感や連携を促すことで生産性向上やイノベーション創出につなげたい意図があると考えられる。ところが、同調査の結果はそうではなかった。むしろ、約半数は「出社しなくても気軽に質問・相談でき、一体感や連携を得られると感じている」とも解釈できる。
実際、デジタルネイティブ世代である20~30代にとっては、チャットやオンライン会議のほうがコミュニケーションを取りやすいと感じている可能性もあるだろう。オフィスがフリーアドレスだと、同僚や上司と対面で話す機会が得られないこともある。
加えて同調査では、出社したビジネスパーソンの約3割が1日1回以上オンライン会議に参加していることも明らかになった。つまり出社しても自席でPCに向かい、オンライン会議をしている時間が一定以上あるということだ。これはせっかく出社しているのに、出社していないのと変わらないコミュニケーションしか取れていない可能性もあることを示している。
設備投資不足がエンゲージメント低下を招く
出社しても対面でのコミュニケーションが取れず、自席でオンライン会議をするならば、リモートワークでも変わらないと考えるのが自然だろう。そうした不満が見えるのが、オフィス環境に関する設問への回答だ。「個室ブースや会議室への設備投資」が不十分と考えているビジネスパーソンは66.1%、「カメラやマイクなどのコミュニケーションツールへの設備投資」が不十分と考えているのは57.0%だった。
深刻なのは、出社比率に納得していない層のほうが、設備に不満を抱えていることだ。「毎日出社に満足していない」ビジネスパーソンのうち、設備投資が不十分だと考えているのは「個室ブースや会議室」で82.3%、「カメラやマイクなどのコミュニケーションツール」は79.5%だった。「質の高いオンライン会議ができる会議室がなく、社員が集まることもできないなら、出社する意味はあるのだろうか」という若手社員の声が聞こえてきそうな結果だ。

ならばハイブリッドワークを取り入れればいいと考えたいところだが、見逃せないのが物理的な距離が近い人や接触頻度が高い人をより好意的に評価する「近接性バイアス」の問題だ。同調査では、「出社時のほうが努力や成果が適切に評価されていると感じる」と回答しているビジネスパーソンが37.0%を占めた。リモートワークを続けたい層の40.9%が同様の回答をしており、「リモートワークの利便性を享受したい」と「キャリアのために出社しなければ」という葛藤を抱える若手社員が一定程度いることが浮き彫りになっている。
このような「近接性バイアス」が生じる背景には、ハイブリッドワーク時に参加するハイブリッド会議(対面会議とオンライン会議を組み合わせた会議形式)での情報格差がある。同調査では、ハイブリッド会議でのコミュニケーションにおける課題として「会議室にいる人の声が遠い・表情が見えにくい」「会議室でディスカッションが始まると横顔や頭しか見えず疎外感を感じる」が上位に入った。会議室での表情や身ぶり手ぶりなどの非言語情報が十分に伝わらないことが、組織内の一体感や連携を阻害していることは明白であり、リモート参加者のエンゲージメントを低下させる要因ともなりうることがわかる。
コミュニケーション環境への戦略的投資が必要だ
これらの結果から見えてくるのは、オフィス出社を義務づけるにしても、ハイブリッドワークを推進するにしても、オフィスにおけるコミュニケーション環境の整備が不可欠だという現実だ。
とりわけオンライン会議は、コロナ禍においては緊急避難的な活用をされていたものの、今や社内外を問わずコミュニケーション手段として定着している。取引先や採用候補者、そして社員とのオンライン会議で、声が遠かったり表情が見えにくかったり、周囲が騒がしくノイズが入ったりしたら損失につながりかねない。
こうした課題の解決策として有効なのが、コミュニケーション活性化を促す会議室ソリューションだ。注目は、ロジクールの卓上AIカメラ「Sight」。マイク・カメラ・スピーカー・コンピュータが一体型となっているビデオバー「Rally Bar」や「Rally Bar Mini」と組み合わせると、AIが話者を認識し、会議室内でどこを向いていても常に顔の正面に近いアングルで捉え、表情や身ぶり手ぶりまでクリアに映し出す。リモート参加者は、リアルな会議室で参加しているような感覚に没入できるため、一体感が生まれやすい。
会議室だけでなく、ハドルスペースをオンライン会議仕様にするのも1つの方法だ。少人数の会議スペース用カメラバー「MeetUp 2」をセットし、あらかじめカメラ範囲を席上に設定しておけば、話者だけを映し出せる。
オフィスだけでなく、個々のデバイスも見直したい。リモート参加者の画質や音質が悪く、議論に集中できない場面もあるからだ。どんな照明環境でも明るく自然な表情を伝えるWebカメラや、リアルタイムでノイズキャンセリングの強度を調整するヘッドセットを支給することで、そうしたリスクが回避され、スムーズかつ生産性の高いコミュニケーションが実現できるだろう。
心理学の法則として知られる「メラビアンの法則」では、コミュニケーションにおいて言語情報が与える影響が7%であるのに対し、視覚情報は55%も影響するとされる。その観点からも、視覚情報の伝達に重点を置いたコミュニケーション環境の整備を行うことは、単なるコストではなく、企業のブランド価値や従業員エンゲージメントを高める投資だといえよう。ただオフィス回帰を促すだけでなく、こうした戦略的投資を行うことが、生産性向上やイノベーションの創出につながっていくのではないだろうか。
⇒ロジクール for Business公式サイトはこちら


