39℃の高熱なのにクリニックで検査をすると「インフル陰性」。このときに考えられる問題と対処法とは?【医師が解説】

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インフルエンザではなさそうなのに、高熱が続き、解熱剤を飲んでもすぐにぶり返す。その背景には、インフルエンザ検査や診察だけではすくい上げることができない別の感染症――とくに肺炎が隠れていることが少なくありません。

この記事では、そんな「インフル陰性なのに高熱が続くとき」に疑うべき代表的な肺炎と、注意すべきサインについて解説します。

まず押さえておきたいのは、インフルエンザの迅速検査は、決して万能ではないということです。

一般的に使われている抗原検査は、感度が6〜7割程度とされ、本当はインフルエンザなのに「陰性」と出てしまう、いわゆる偽陰性が少なくありません。発症から時間が経っておらず、ウイルス量が少ないタイミングで検査をすると、特に陰性に出やすくなります。

そのため、
・家族など同居している人がインフルエンザと診断されている
・典型的な症状(突然の高熱、関節痛、悪寒など)が揃っている

といった場合には、検査で陰性となってもインフルエンザとみなして、治療を始めることもあります。

一方で、本当にインフルエンザではない「別の病気」の可能性も常に考えなければいけません。「陰性だったから安心」と油断してしまうと、ほかの重大な感染症に気づくのが遅れてしまうことがあります。

高熱を起こす代表的な肺炎

高熱が出たとき、インフルエンザ以外にどんな病気が隠れているのでしょうか。鼻やのどを診たり、胸の聴診をしたりした医師が迷うような、3つの肺炎について解説します。

1.マイコプラズマ肺炎

最近とくに話題になることが多いのがマイコプラズマ肺炎です。子どもから若い世代に多く、「歩ける肺炎(ウォーキング肺炎)」と呼ばれることもありますが、実際には39℃台の高熱が何日も続き、強い咳で眠れなくなる人も少なくありません。

乾いた咳が長く続いて、徐々に痰がからむようになれば、要注意です。

治療にはマクロライド系(クラリスロマイシンやアジスロマイシンなど)やテトラサイクリン系(通常、子どもには処方しません)など、特定の抗菌薬が必要です。

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