トランプ時代とその先へ。「金投資」未来予想 株高と金高の同時進行と2026年の投資戦略

マネーが行き場を求める中で株も金も上昇
――2025年は株高が続きましたが、同時に金(ゴールド)の価格も上がっています。今の状況をどう見ますか。
吉崎 達彦 氏
吉崎:市場に出回っているお金の量が増えているとシンプルに見ています。
アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は長く続けてきたQE(量的緩和)からQT(量的引き締め)に転じてはいるものの、依然としてマネーは市中に潤沢です。
ダウ工業株30種平均は最高値を更新し日経平均も5万円に到達しました。水準的に1%で500円動きますので、日々の変動が大きく感じられるのは自然だと思いますし、さらに一段上のステージもあると考えられます。
チャン:株式市場が堅調でも、ポートフォリオの中で金を持つ動きが続いています。大きな要因は中央銀行が買い増している点です。今後5年以内に金準備を増やすと回答した中央銀行が多いという調査もあり、安定した需要が見込めます。
吉崎:中国とかインドなどの中銀が大きな買い手なのでしょうか。
チャン:実は、中央銀行に関しては2025年年初来の金購入国別ランキングでは、ポーランドが首位を占め、カザフスタン、中国、トルコ、チェコ、ブラジルがこれに続いています。
吉崎:ポーランドやチェコといった東欧の国々は、まさにロシアの脅威を感じているということですね。
ゴールド・ストラテジスト
アーロン・チャン 氏
チャン:おっしゃるとおりです。25年10月に京都でLBMA(ロンドン貴金属市場協会)のカンファレンスが行われました。ここではこれまで金をまったく買っていなかった韓国の中央銀行が、今は検討しているというニュースが出ていました。多くの中央銀行で金を保有したほうがいいという考えが広がっているようです。
吉崎:かつては「株と金は逆相関」と言われましたが、今は両方上がっています。それは地政学リスクの感じ方の違いもあるのでしょう。日本では台湾有事などと口では言いますが、日本が危ないと本気で思っている人は多くありません。スイスの中銀などが金の購入を増やしているのは切実さの反映かもしれません。
チャン:法定通貨よりも金のほうが安心という意識が強まっているのだと思います。金とドルの金本位制のリンクがなくなってから、基本的に通貨は信用されてきましたが、ここ10〜20年で各国の債務が膨らみ、持続可能性が懸念される中で、改めて金が注目されています。
トランプ再登場とFRB人事。26年相場の焦点
――26年の投資環境はどのようになるのでしょうか。注目されているイベントはありますか。
吉崎:来年の大きなイベントの1つはFRB議長の「ポスト・パウエル」が誰になるかということです。トランプ大統領の言いなりになるような議長が誕生した場合どうなるのか。これはちょうど1970年代に当時のニクソン大統領がアーサー・バーンズFRB議長に圧力をかけた時と重なるのです。ニクソン氏もトランプ氏もどちらも「ドルをいかに下げるか」を目指しています。当時はまだ中央銀行の独立性の重要さがよく理解されていなかったため、結果として大変なインフレを招いてしまいました。2026年を占ううえで、そこは1つの重要なポイントになると思います。26年秋には米連邦議会の中間選挙も行われます。トランプ氏の動向に対して予断を許さない状況が続きます。

チャン:FRBが何回利下げするのか、そしてその後のマーケットの反応も気になるところです。米国経済はこれから減速する可能性もありますし、インフレが再び上昇することになれば、利下げが困難な局面となるでしょう。複数回の利下げが行われると、金の価格も上昇することが考えられます。
吉崎:25年には金は史上最高値を更新しました。株式であればPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などに基づく理論値が計算できますが、金はそれらの手がかりはありません。利息や配当もありません。一方で現物が形として残るというメリットもあります。
チャン:金は足元では短期的に急騰しているものの、中央銀行や機関投資家の長期需要など構造的な買いに支えられている堅調な水準と見ています。1971年以降、50年以上にわたって、金の購買力は、アメリカのさまざまな物価上昇局面でしっかり維持されてきました。ドル建て金の年間平均リターンはアメリカの平均インフレ率を上回る傾向にあります。金投資に当たっては、株式のように「割高・割安」と判断するのではなく、長期的に持ち続けるスタンスが効果的でしょう。数十年単位で持てば、景気の良い時も悪い時も、ドルが高い時も安い時も乗り越えられます。リーマンショックもCOVID-19パンデミックも乗り越えて、それでも金はリターンが出ています。
吉崎:ここ数年は「投資といえばアメリカを見ておけばいい」という時期が続きましたが、25年ごろからそれも通用しなくなりつつあります。財政の持続可能性や、政治の不確実性が強まっています。26年以降に必要なのは、やはりダイバーシファイ、つまり選択肢を広げていくことです。

不確実性の時代にどう備えるか
――ここまでを踏まえ、26年以降、投資家の資産の「持ち方」についてのポイントをお聞かせください。
吉崎:政府は「貯蓄から投資へ」を掲げています。新NISA(少額投資非課税制度)などにより移行は進んでいるものの、アメリカなどと比較して、依然として個人の金融資産に占める現預金の割合が高いようです。現金はもちろんのこと、円建ての資産だけだと価値が目減りするリスクがあります。為替や地政学リスクを踏まえた分散投資が大切でしょう。金投資も有効だと考えられます。
チャン:金を現物で購入する方法もありますが、保管コストなどもかかります。03年に初の金ETF(上場投資信託)が設定されて以降、個人でも取り組みやすくなりました。運用コストを抑えやすい点が大きな特色です。加えて、取引所が開いている時間なら、指し値や成り行きで機敏に売買でき、自分の望む価格で取引しやすいという利点があります。ETFは流動性が高く、すぐに売却できます。
吉崎:不確実性が高まり、なかなか先が見通せない時代になっています。変化に対応できるように自分なりの工夫をしていく時期に来ていると思います。まずは少額からでも始めてみることが大切でしょう。金融リテラシーも向上すると思います。
チャン:中長期的なリターンを得るために大切なのは、資産のポートフォリオです。過去30年のデータによれば、金は株式や債券との相関が低いことが確認されています。金のETFなら流動性も高く、頻繁に売買する方にも、積み立ての方にも使いやすい手段ですが、短期の値動きに左右されず、長期で保有することを基本にしていただきたいですね。
「SPDRゴールド・シェア(GLD)」は資産残高が世界最大かつ最も取引されている金ETF※で、スプレッド(売買価格の差)が非常に狭く、流動性が高い点が特徴だ。東京証券取引所にも上場している(証券コード:1326)。同じく金ETFの「SPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)」は低コストで、長期保有を重視する個人投資家向け。
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コモディティ及びコモディティ指数連動商品は、市況全般の変化、金利変動や、天候、疫病、禁輸あるいは 政治及び規制といったその他要因のほか、コモディティ現物における裁定業者や投機家の取引行動により影響を受けます。ETFや投資信託を頻繁に売買した場合、売買手数料や他のコストが大幅に増加し、その結果、低いフィーやコストによる節約効果が相殺されることがあります。分散投資は、利益を確保したり、損失回避を保証するものではありません。コモディティ投資には大きなリスクを伴うため、すべての投資家に相応しいとは言えません。
<SPDR®ゴールド・シェア(「GLD®」)およびSPDR®ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(「GLDM®」)に関する重要情報>
SPDRゴールド・トラストはGLDに係る、そしてワールド・ゴールド・トラストはGLDMに係る(目論見書などの)届出書面をそれぞれ証券取引委員会(「SEC」)に届け出ています。各ファンドとも1940年投資会社法(「1940年法」)の下で登録された投資会社ではありません。そのため、各ファンドの投資主には1940年法の下で登録された投資会社の株式保有に伴う保護がありません。GLDおよびGLDMは1936年商品取引法(「CEA」)の規制対象ではありません。そのため、GLDおよびGLDMの投資主にはCEAが提供する保護がありません。各ファンドの受益権は株式のように売買され、投資リスクがあり、時価が変動します。GLD受益権およびGLDM受益権の価値は、各ファンドが保有する金の価値(経費控除後)にそれぞれ直接関係しており、金価格の変動が受益権への投資に大幅に不利な影響を与える可能性があります。時価で売買される受益権の売却に際して受け取る価格は、受益権が表象する金の価値よりも多い場合も少ない場合もあります。いずれのファンドもインカムを生じず、各ファンドは継続的に発生する経費を賄うべく金を定期的に売却するため、各ファンドの受益権が表象する金の量は時間の経過とともに相応分減少します。MiniShares®はWGC USAアセット・マネジメント・カンパニーLLCの登録商標であり、WGC USAアセット・マネジメント・カンパニーLLCの許可を得て使用しています。
<ステート・ストリート・ゴールド・オープン(為替ヘッジあり)/(為替ヘッジなし)に関する重要事項>
投資信託は、値動きのある有価証券等(外貨建て資産には為替変動リスクもあります)を投資対象としているため、お客さまの資産が当初の投資元本を割り込み、損失が生じることがあります。基準価額の変動要因には、金の価格変動リスク/為替変動リスク/流動性リスク/信用リスクがありますが、リスクはこれらに限定されるものではありません。投資信託は1.預金等や保険契約ではありません。また、預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。加えて、証券会社を通して購入していない場合には投資者保護基金の対象にもなりません。2.購入金額については元本保証および利回り保証のいずれもありません。3.投資した資産の価値が減少して購入金額を下回る場合がありますが、これによる損失は購入者が負担することとなります。
<手数料・費用>
(売買手数料)取扱いの金融商品取引業者の定める売買手数料がかかります。
(SPDR®ゴールド・シェア[GLD、1326]、SPDR®ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト[GLDM]の信託にかかる費用)管理会社・受託銀行に支払う報酬、マーケティング・エージェントに支払う報酬、監査費用等があり、それぞれ年率0.40%、0.10%(GLDおよび1326、GLDM、2025年9月末時点)です。その他ETFを保有する際には、それぞれ個別に定められた費用がかかります。これらの費用は、運用状況等により変動するものであり、事前に上限額を示すことができません。当ETFの運営費用は将来にわたり変更される可能性があります。※取得のお申込みに当たっては、必ず上場有価証券等書面またはその他の開示書類の内容をご確認の上、ご自身でご判断下さい。※購入のお申込や売買手数料等につきましては、当ETFを取り扱い金融商品取引業者(証券会社)までお問い合わせ下さい。
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