6月24日からiPhoneのウォレットアプリにマイナンバーカードが設定可能に。Android版より多機能で高セキュリティな仕様とは

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iPhoneのカードはFace IDもしくはTouch IDで守られるので、従来の物理的なカードよりある意味セキュリティが高くなるといえる。たとえ、iPhoneを紛失したり、盗難されたりしても、ご存じのようにFace IDやTouch IDを突破することはほぼ不可能だからだ。また、そのような場合、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)から、24時間365日体制で一時利用停止することができる。また、Appleが提供する『探す』アプリでも、一時利用停止を設定することができる。

こんな便利な状況も

実際のユースケースはなかなかユニークだ。

たとえば、アルコール飲料を購入する際、『20歳以上である』ということと、本人写真だけを確認することもできる。事業者側は事業者用アプリをiPhoneに入れて、それでNFCをタッチすることで情報をやりとりするのだが、ユーザー側にも『20歳以上であることとID写真だけが共有され、データは保存されない』という通知が出る。それからホームボタンをダブルクリックすることで認証するのは決済と同じだ。

より多くの情報を共有しなければならない場合にも、どの情報が共有されたか通知が出るので、プラスチックカードのマイナンバーカードよりも安心かもしれない。

また、コンビニでの住民票の写しや、印鑑登録証明書の取得もiPhoneのマイナンバーカードを使って行うことができる。

さらに、iPhoneのマイナンバーカードで認証することで、マイナポータルでログインや署名ができる(従来は毎回プラスチックのマイナンバーカードをNFCで読み込む必要があった)。マイナポータルでは、薬や医療費、年金の記録の確認や引っ越し手続きなど、さまざまな行政サービスを利用できる。

Android版との違いは?

AndroidではiPhoneより先行してマイナンバーカードの取り込みが可能だったが、今回のiPhoneのウォレットへの導入によりiPhoneのマイナンバーカードの方が多機能になった。

これは、iPhoneにTouch ID、Face IDとそれに連動したセキュアエンクレーブと、ウォレットいう強力なセキュリティ機能があり、仕様が完全に統一されていることによる。

ある程度までの導入はAndroidの方が容易だったが、Androidの場合アプリごとに機能が分かれていたり、提示UIにばらつきがあったりすることが今後の課題になる。コンビニでの証明書発行などはAndroidでもできるが、年齢確認や、身分証明などはUIや動線がバラバラなので、実際の運用面で難しい側面がある。Android版でもiPhone版並みの認証と、UIの統一化が望まれるが、今のところ具体的なロードマップは提示されていない。

このiPhoneのマイナンバーカードの導入で、これまで市役所窓口などへ行かないとできなかった手続きがiPhoneからできるようになる可能性が高まる。また、最近話題の転売問題などでも、個人情報を取得せずに1人1点購入の認証を行うというようなことも可能になるはずだ。利便性が高まるのを楽しみにしたい。

村上 タクタ 編集者・ライター

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むらかみ たくた / Takuta Murakami

iPhone、iPadなどアップル製品を中心に扱うガジェット・テクノロジー系編集者・ライター。カリフォルニアでのWWDCやiPhone発表会には2016年頃から継参加。趣味の雑誌の編集者として、’92年から約30年で約600冊の雑誌を作ってきた。バイク雑誌『ライダースクラブ』に携わり、ラジコン飛行機雑誌『RCエアワールド』、海水魚とサンゴ飼育の雑誌『コーラルフィッシュ』、デジタルガジェットのメディア『flick!』『ThunderVolt』の編集長を務める。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー。バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、庭での野菜作り、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。娘はロンドン、息子は台湾在住。

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