「24時間テレビの使い込みやドラマ原作者の自殺では会見しなかったのに…」 日テレ・国分太一会見の《正しさ全開》が招きかねないビミョーな末路
終了後、モヤモヤした心持ちでテレビ業界の知人から情報収集すると、今回の一件は日テレ社内でも役員とコンプライアンス部門以外にはまったく伏せられていたらしいとわかってきた。
それを知って、「なるほど」と思った。日テレの対処は、フジテレビの中居正広氏の事案とは正反対の動きをたどっている。
フジテレビは中居氏の事案を知ると、当時の港浩一社長と大多亮専務だけで対応し、コンプライアンス部門と情報を共有しなかった。メディアに何も発表せず、『週刊文春』にスクープされるまで中居氏を番組から降板させなかった。
一方、今回の日テレはまったく逆に、役員とコンプライアンス部門で情報を共有し、弁護士と相談して対処を決めた。自分たちで発表を行い、国分氏を番組から降板させた。まるでフジテレビの事案を反面教師としたかのように「正しい」対処を行ったのだ。
詳細を話せないのにリリースで済まさずに社長が会見を行ったのは、過剰なコンプライアンス対応のようにも思われたが、フジテレビではお粗末なメディア対応を繰り返した結果、スポンサーが一斉にCM出稿をやめて経営に大打撃を与え、体制の一新を迫られた。過剰と言われようと「正しい」対処をするのは当然なのだ。
リリースににじむ他局の恨み節
ただ、これで済むとは言いがたい。
まず、他局からすると、今回の日テレの対応には非難轟々だろう。とくにテレビ東京は日曜日に国分氏が出演する「男子ごはん」の放送を控えている。TBSテレビも来週水曜日に「世界くらべてみたら」が放送予定。どちらの番組も差し替え作業でてんてこ舞いになっているはずだ。

通信販売のジャパネットホールディングス(HD)は国分氏を起用しているCMを差し替えねばならないうえに、同社グループが運営するBS10では「国分太一のTHE CRAFTSMEN」を20日22時から放送予定だった。結局は俳優の美木良介がダイエットを指導する番組に差し替えられていたが、そうとう大変な作業だっただろう。
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