都議選もSNS任せ?「オールドメディア」呼ばわりされたテレビ局が繰り返す《選挙報道》の"罪と罰"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

選挙期間に入り、候補者の言動を見たいときに、テレビはほとんど放送してくれない。そうなると、有権者がSNSに情報を求めるのはごく自然な行動だ。SNSで情報収集するように人々を仕向けたのは、ほかならぬテレビ局なのだ。

11月17日の投開票日に、関西で選挙特番を放送したのはNHKだけ。唯一、日曜夜の「Mr.サンデー」(フジテレビ系列)が選挙結果を伝え、斎藤氏の当確を報じた。司会の宮根誠司氏は自嘲的に「オールドメディア」の言葉を使った。そして翌18日、一斉にニュースやワイドショーが選挙結果を伝え、「オールドメディア」という言葉を各番組が何度も用いた。

パワハラをあおって選挙戦は報道せず

もう1つ、グラフを見てもらいたい。

さきほど示したテレビ放送の放送時間を「兵庫県知事選挙」「斎藤元彦」「稲村和美」「立花孝志」という4つの要素を色で分けて、2024年9月から示したのがこちらの棒グラフだ。

「斎藤元彦」の放送時間は赤で示している。9月中旬までは真っ赤で、ほぼ斎藤氏の「パワハラ」報道だ。テレビは連日、斎藤氏を批判していた。ところが選挙期間中になると、ほとんど報じていない。

ある時期は猛烈に斎藤氏のパワハラ批判をあおるだけあおり、肝心の選挙期間になるとパタリとやむ。これは無責任ではないだろうか。いっそ、選挙期間中も批判し続けるほうがまだマシに思える。

こうした一連の流れがあって「オールドメディア」呼ばわりされたのだ。だが、その悔しさも喉元を過ぎて、忘れてしまったのではないか。

NHKは稲葉会長が選挙報道を見直すと宣言しただけあって、夕方の「首都圏ネットワーク」で連日、都議選の情報を伝えている。だが、民放は都議選に本気を出す気配がない。

次ページ在京キー局のあきれた体たらく
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事