ホテルで採用増える沖縄でミャンマー人従業員の実態、人手不足の中、十分に活躍できる人材として評価
1期生はすでに3年の経験があり、日本語でのコミュニケーションに問題がなく、馴染みのある大工からも高い評価を得ているようです。
とくに、日常的な会話力が高く、3時の休憩時間には日本人の職人たちと自然に溶け込み、一緒に過ごす場面も多く見られます。さらに、理解力が高く、細かな指示がなくても業務を的確にこなせるようになっており、現場での信頼も厚い状況になっています。
現場でのミャンマー人技能実習生の仕事ぶりが評価され、既存の顧客にとどまらず、新たな取引先からも問い合わせが増えてきました。もともと沖縄県内では木造住宅の建設が少なく、その約8割は県外の建設会社が手掛けていた状況でした。
新規取引先、事業拡大のチャンスも
しかし、県内に木造建築ができる会社が存在するという評判が広がり、これまで手が届かなかった新たな顧客層からも声がかかるようになり、結果としてニッチな市場に新たな活路を切り開くことに成功しました。
1期生のタン・ナインさんとニー・ニー・アウンさんの2人は、仕事が速く、人柄も良いと評判です。初めは言葉が足りない部分もありましたが、ニー・ニー・アウンさんはすでに日本語能力試験で最も難しいとされる大学入学レベルのN1を取得しており、タン・ナインさんも専門学校入学に必要なN2取得に挑戦中で、日常会話は十分なレベルに達しています。
そのため、仕事において日本語で困ることはほとんどなく、現在は技能実習5年目に入りました。今後は特定技能に切り替えた上で残り、将来的には正社員として長く働いてほしいと、会社は期待しています。
「4人とも穏やかで、それぞれ性格は異なりますが、1期生・2期生ともに現場でのミャンマー人の評価も高く、そのため3期生も引き続きミャンマー人を予定しています。
仕事や勤務地のマッチングは非常に重要であり、1期生・2期生の経験を踏まえ、この点は今後も大切にしていきたいと考えています。1期生の2人はいずれも技能実習が終了しても引き続き勤務してくれていますが、2期生については県外での仕事を希望しているようです。これについては仕方のない部分もありますが、企業としてはより長く勤務してもらいたいため、そのあたりのマッチング制度をさらに充実させていく方針です。
日本人にもリクルーター制度があり、先輩社員が求職者の資質を見極め、面接や内定につなげる仕組みがあります。これを私たちも取り入れたいと考えています。また、やはり現地での直接採用の重要性を感じており、3期生の採用にあたってはミャンマーの中心都市であるヤンゴンへ赴き、人材の面接を実施する予定です。
沖縄とミャンマーは、気候や食文化だけでなく、人々の性格も似ている部分があります。例えば、おおらかで優しい人が多く、ガツガツした競争よりも調和を大切にする文化が共通しています。そのため、ぜひ沖縄でミャンマーの皆さんにも活躍してもらいたいと考えています」
会社では、自動車免許についてもサポートしており、ニー・ニー・アウンさんは1年目に会社の支援で免許を取得し、タン・ナインさんは3年目で取得しました。今後はタイムズレンタカーなどの活用も視野に入れ、特定技能に移行して長く働いてもらえるよう、定着支援を強化していきたいと考えています。
「沖縄県は本土と異なり、生活面での課題もありますが、それを逆手に取り、沖縄だからこそできるメリットを打ち出し、ミャンマーの方々が安心して長く活躍できる環境をつくりたいと思います」
陶功城沖縄支店長は、期待を込めてこう語っています。
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