本当に悪いのは"彼女"なのか? 「汚物まみれの4人衆」なる言葉が飛び出すほどモメにモメた《山尾騒動》がはらむ大問題

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一方、2016年には多額のガソリン代を政治資金収支報告書に記載していたことが報道され、説明に追われた。致命的だったのは、『週刊文春』が2017年に報じた弁護士との不倫疑惑だ。山尾氏は民進党を離党したが、会見では声明を読み上げるだけで記者からの質問を拒否。これが山尾氏にとって大きなイメージダウンとなってしまう。

しかし、2017年の衆院選で3期目の当選を果たし、立憲民主党を経て国民民主党に合流。同党の“チャーターメンバー(創設の一員)”とされるのは、その後に両党が解散して再編した際、新たに結成された国民民主党に残ったためだ。そういう意味で玉木氏らにとって山尾氏は、「苦しいときに同じ釜の飯を食べた同志」だったともいえる。

2021年の衆院選で出馬を断念したのは、当時の国民民主党が“視力検査”に例えられるほどの低支持率だったため、新たなスタートを切ろうとした東京での当選が見込めなかったからと推察できる。だからこそ、今回の参院選ではほかの候補には見られない厚遇ぶりだったのだろう。

反論文に書かれていた「山尾氏にとっての真実」

“反論文”によると、当初は4月23日に“公認内定”が発表されると同時に、「代表・幹事長同席の記者会見」が予定されていたというから、同党は山尾氏を参院選の“目玉候補”として大々的にアピールするつもりだったに違いない。

だが、山尾氏の出馬報道に世論が大きく反発すると、党の対応も激変。山尾氏が会見の「早期の開催を党にお伝え」したものの、党側がそれを黙殺したと、“反論文”には記されている。

もっとも、玉木氏は6月3日の会見で、「それぞれの候補者が、自分が当選しようと思っているのであれば、疑問にしっかりと答えていく責務があるし、そうしないと受からない」と発言。山尾氏に会見を求める声について「本人に伝えている。会見をすべきであると伝えている」と述べている。

しかし、記者から「山尾氏に何回伝えたのか」と質問が出ると、玉木氏は一瞬たじろぎ、「(会見を)どのような形にするのかということを検討している」と慎重に回答した。そして10日午後に山尾氏の会見が行われた。

案内はその日の午前に送られてきたが、タイトルに記された「出馬会見」の文字には違和感を抱かざるをえなかった。山尾氏に求められていたのは「出馬表明」ではなく「釈明」のはずだった。

山尾氏は会見の冒頭で、ガソリン代問題やJRパス不正使用問題、そして2017年の不倫疑惑について言及し、「8年前の自分にはおごりがあった」と振り返った。質問の多くは“不倫疑惑”に集中した。

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