「最近、白髪目立ってきたよね」「あまりの重責に…」小泉進次郎農水大臣の《急に増えた白髪》が示す“メッセージ”

白髪が見る者に与える影響は一様ではない。髪色や顔全体の見た目は、年齢の印象にとどまらず、その人物が周囲からどのような信頼感や親近感を抱かれるかといった対人印象全体にも大きな影響を及ぼすことが知られている。

白髪は年齢感を強める要素として働くものの、それが必ずしもネガティブな評価につながるわけではない。むしろ、顔全体の印象や雰囲気づくりにおいて、髪色や見え方次第で柔軟に意味づけられうる要素でもある。その意味で、白髪＝ネガティブな印象、と単純に考えるのは早計だ。

実際、若々しい印象を持つ小泉進次郎氏のような人物が白髪を急に目立たせた場合、それは単なる加齢のサインというより、いまの局面で直面している重責や苦悩をにじませる「現在進行形のサイン」として見られることもある。

農水大臣就任から10日目の5月30日、全国銀行協会会長で三菱UFJ銀行頭取の半沢淳一氏と面会した際の小泉氏。生え際に白髪があるように見える（写真：小泉進次郎氏の公式Xより）

「外見」と「役割」の一致感を意識する必要性

ビジネスの現場でも、「年齢感」そのものよりも、外見全体が発する「安心感」や「信頼感」が、いまの立場や役割ときちんと合っているかどうかが問われる。リーダーに求められるのは若さそのものではなく、責任感・落ち着き・信頼感を備えた存在感だ。白髪は、その意味で成熟した安心感を伝える資産にもなりうる。

心理学の役割適合性理論（Role Congruity Theory）によれば、人は役割への期待と印象の一致度で評価を下すという。責任ある役割にふさわしい外見か──それは白髪を含む全体の印象設計と密接に関わっている。

たとえば、部長職や経営層としての立場にある人物であれば、適度な白髪がむしろ「包容力」や「落ち着き」の表現としてプラスに働く。逆に、第一線の営業担当として若々しいフットワークが期待されるポジションでは、白髪が「手入れが行き届いていない」という印象を与えてしまい、チグハグさが生じることもある。

つまり、白髪の是非は絶対的なものではなく、むしろ自分の役割との整合性こそがカギなのだ。